離火子は女子寮の屋上から良く夜空を眺めるのが好きだった。
やはり東京はネオンが多いため、秋田よりは星が少なく感じられた。それでも夜空を眺めていると吸い込まれるような心がとても癒されていく感覚に陥るのが好きだった。
この壮大な夜空に比べれば、人間なんて本当にちっぽけな存在でしかないのだといつも胸の奥底から突き上がってくる感覚に襲われる。それは嬉しくもあり、ちょっと寂しいような、幸せなんだけど、ちょっと淋しい、みたいな感覚だった。「あのお月様の中に月読さんがいるのかな?」そんなことも考えたりした。
アメリカの天使博士ドリーン・バーチュー博士の「アースエンジェル」を読んだ時、自分の魂の領域は間違いなく「スターピープル」だと確信したことがある。こんなことを言ったら「変わった人」「あの人は特別に純粋な人」と言われるのがおちなので、秘密にしているが、実はこう思っている人は世界中に沢山いるに違いない!
戦争やテロ、核ミサイル……みんな、みんな溶けて消えてしまえばいいのに。
アフリカの子供たちは大丈夫なのかしら?
私は今、こんなに平和な場所で夜空を眺めて感傷的になっているけれど、今、この瞬間にだって満足にご飯も食べられなく、飢えに苦しみ、またひとり、子供の命が失われている。人間て、なんて愚かなのだろう。
8年間のミッションスクールでの教育で、私は何か世の中に恩返しは出来ているのかしら?
夜空を見る度に、自分に自問自答させられるのであった。
東京での5年間のOL生活で苦手な通勤ラッシュも時には良い経験に導いてくれたりする。
途上国の子供のサポーター広告はずっと興味があり、最近、ようやく行動に移すことが出来た。なんと、まだ結婚もしていない私に娘ができたのだ。
名前は「DINA」若干8歳の蟹座の可憐な瞳の女の子。女の子だから口紅やマネキュア、ヘアアクセサリーや可愛らしいリボンなんかも送りたいな。でも、DINAの国はそんな状況ではないのだ。プレゼントどころかレターを送るのも精一杯といった状況だった。この子が大きくなった頃にはアフリカの女性達もお洒落をし、好きな仕事がつけるような時代になっていればいいのに。
もし、私がこの手でDINAを育てることが出来たら、美容院やエステに連れて行き、一緒にお洒落を楽しみ、彼女のなりたい職業につけるようにバックアップしたいな。少し茶褐色の入り混じったブラウンの瞳のとても美人さん。きっと素敵なエステティシャンになれるに違いない!
早くもこんなことを夢見たりしている自分がいた。きっと私の母もそう思ったのだろう。
そうだ! 私自身が週末を利用して、エステの勉強をし、いつかアフリカへ行き、アフリカの女性たちを癒せばいいのだ。東京には沢山の美容学校がある。チャンスのある街だ!
DINAの国は長い長い内戦で女性と子供はずっと我慢し続けている。ちょっとしたハンドマッサージで疲れた心と身体を癒してあげたい。まだまだ長い道のりかもしれない。でも、長い内戦の後は良くなるだけ。もう良くなるしかないのさ!!!
今宵は沢山の星くずが私の話を聞いてくれているような気がした。
「あっ! 流れ星」☆彡
それはダイアモンドのように眩いほどの光を放っていて、
間違いなく宇宙からの祝福のサインだった。🌠