フランス側の起点 サン・ジャン・ピエ・ド・ポー
お遍路と言えば、四国。
ですがこの四国のお遍路と姉妹道となっているカトリックの巡礼道をご存知でしょうか。
その道は、かの『アルケミスト』を書いたパウロ・コエーリョが実際に、自身が歩いた際の様子を克明に描いた小説『星の巡礼』で有名となりました。
今から20年ほど前に日本でも、スピリチュアル翻訳で有名な山川紘矢・亜希子ご夫妻によって紹介されています。
《道しるべは黄色い矢印》
こちらの道は、カトリックでなければ歩けないわけではないので、世界各国から旅行者が旅をしています。
筆者は今から11年ほど前に一人、スペイン・レオンからゴールのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで300kmの道のりを歩きました。
当時は、限られた休暇の中でなんとか時間を作り、出かけて行ったのですが、今のようにGPSもなくスマートホンの位置情報もありませんから、まさに野生の勘で時には、道なき道をひたすら歩いて行ったのです。
それは何よりも自身の現実に打ちのめされ、世間や世の中の良しとすることをしてきたけれども、まったく幸せを感じられず『ここ』ではない『どこか』に、幸せがあるのではないかと思っていたからに違いないのですが、結局のところ幸せは、ゴールにはなく道程にあったのです。
今となっては、若気の至りで笑い話ではあるのですが、それもまた必要なプロセスでした。
《大自然の中のウォーキングは行動瞑想》
さて、その後フランスに住むようになり、旅先で出会った人々から影響され要所、要所を区切って歩くという余暇としてのウォーキングを楽しめるようになりました。
実際、生活しているとやはりまとまった時間は取りにくいものです。
結局今から5年ほど前に一週間トゥールーズ地方から北方モアサックという小さな町から100kmほどを歩きました。
スペイン、夏、傾斜のない大地は、むしろ行けども行けども景色が変わらず炎天下45度の中、忍耐との戦い。対して、季節も初夏のフランスは歩いてもちょうど心地よい気温、さほど疲労を感じず、ひまわり畑、麦畑などと景色の変わりように、心が弾むものとなりました。
道しるべはスペインと違い黄色の矢印はあまりなく、道のナンバーを選択していく様相です。
歩くことは行動瞑想ともなり、普段忙しいままにおろそかになっている、自分を見つめる機会となります。
車窓からは流れてしまう景色も、一つ一つが目に鮮やかにと飛び込んでくるのです。
もし、すれ違う人と会話ができたらより楽しいひと時が過ごせるはず。
この時期フランスの各地では、小さなお祭りが村々で行われています。
そんな経験も非日常を体験できる貴重な時間。
フランスでは回廊のある修道院に泊まりました。
しかも、今はとても便利な情報も提供されている協会もあります。
NPO法人 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会
http://www.camino-de-santiago.jp/
http://camino-de-santiago.jp/wp_blog/archives/5215
2月26日(土)には、報告会も兼ねた懇親会があります。
ぜひ、この機会に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
参考記事: http://www.esjapon.com/ja/hermanamiento-de-dos-caminos-10055
《ド ラタイヤード 陽子 さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/yoko-delataillade/?c=120700
(トップ写真/サン・ジャン・ピエ・ド・ポル ウィキペディアより)