「○○離れ」は本当に悪いことなのか? ~ココロセラピストが語る! 先入観と誘導~

「○○離れが進んでいますね……」

「いやぁ。驚きました。最近は○○離れに拍車がかかっているようです」というようなこのセリフ。
年に何度かは、必ず耳にする気がします。

ところで、このセリフってネガティヴな印象を受けませんか。
まるで「○○離れ」が悪いものだという前提に話が進む事が多い気がします。

今回の話のいちばん重要なのはここです。
僕たちは無意識のうちに「○○離れ」というキーワードに対して勝手に悪いイメージを持ってしまうのです。

でも、本当にそうなのでしょうか。

 

僕たちは、主に潜在意識によって生きている!?

僕たちは理性的に生きているように思っているかもしれませんが、理性なんていうものは本当に表面的なもので、本当は自分自身でも気づいていないような無意識、あるいは潜在意識の影響を受けて生きています。
だから「なんとなく」それを信じ、判断し、行動していることが案外多いのです。

催眠をイメージして下さい。
あれって極端にいえば暗示が頭の中にスーっと入ると、「なんとなく」その気になってしまうということですよね。
難しくいえば理性を無視して直接的に潜在意識に何らかの暗示を介入させて影響を与えるということです。

催眠術の場合は術者がいて意図的に催眠誘導をするからわかりやすいのです。
でも、実生活は催眠術師が暗示を与えていなくても、暗示的な何かが常に僕たちに影響を与えているのです。

 

雑談でさえ、暗示の影響を受ける!?

雑談なんかでも、まさにそうです。
だから「○○離れ」の話をすると、言っている方も、聞いている方も「なんだか大変なことになっていますね……」なんて半自動的に話の流れがネガティヴなものになってしまうのです。

話し手が本当に「○○離れ」の「○○」が離れて行くと残念だと思っているのであれば、話し手の主張として構わないのです。

ただ「世間では○○離れが進んでいるらしいですよ……」というような自分の意思や意見は関係の無い話題をするときは注意が必要です。

「世間は○○と言っている」という客観的な情報を言っただけで、良いとか悪いとか、そういうことはまったく言っていないのです。

だから、そこで僕たちの無意識的な解釈で変な方向に流されなくて良いように「情報は情報だ!」ということを頭に叩きこんで欲しいのです。

その情報に対して、誰がどう解釈してどういう感想を持っているのか。
それに対して自分はどう思うのか。
これを意識することで、僕たちは、思い込みから解放されるのです。

 

「車離れ」は本当に悪いこと?

たとえば「車離れ」について考えてみましょう。
何も考えないと「自家用車に乗らない人が増えて来て問題だ」という前提で話が進みます。
でも「問題だ」と思い込まされる必要は本来ない、というか、まだ早いのです。
そもそも車に乗らなくなった背景を完全に話を進めてしまうと本質が見えてこないのです。

たとえば僕が自動車を売る仕事をしていたら、車に乗る人が減ってしまうと大問題ということになります。
でも、それは世間がどうとか、そういう問題ではなく、一部関係者の個人的な問題です。

もしかしたら、今までは駅が遠くて電車を使うという手段が不便だった。
それが、改善されて駅の数が増えた。
快速電車が停まるようになった。満員電車にならず、ちゃんと吸われるようになった。
……という具合に環境が改善されたのであれば、自家用車に無理に乗らなくても良いのかなという気がします。
あるいは、遠くに行かなくても公私ともに近場でなんでもできてしまう環境なら、その方がありがたいくらいです。
「車離れ」をジャッジするのは、車があることのメリットとデメリットを冷静に考えてから、今の社会と照らし合わせて考えてからで良いのです。

もし不況が続いてみんなの収入が減って車が欲しくても買えないとかであれば、問題の本質は「車離れ」ではなく「不況」なのです。
そっちにフォーカスしなければ「車離れ」を嘆いても仕方無いのです。