ココロセラピストが語る！『自己啓発』とは？～自己啓発というのは、つまり自分を啓発するものだ～

話を戻して、自己啓発も何も考えないで鵜呑みにしてしまうと、このアチアラの男のような人物ほど危険な人はあまり出会わないとしても、望まない方向に進んでしまう可能性もあると思います。

よくある極端なパターンがお金です。
『自分を高める＝お金を増やす』という価値観で生活している人のいう自己啓発は、進む先はお金です。
ただ、自己啓発ですのである種の覚悟や努力は必要になってきます。
何も考えずお金だけにフォーカスしてしまったらお金持ちにはなれたとしても、望んだ人生とは何か違うかもしれないという事になりかねません。

ノートPC１つで世界中を飛び回り、秒速で一億稼げる自分が本当に自分の望んだ人生なのでしょうか。
セドナでジャンプしている写真をSNSにアップするのがあなたのゴールですか。
それはそれでレベルの高い自分かもしれませんが、望まない人にとっては「そんなにまで自分がリア充であることを強調して写真をアップしたいのかな。なんか、自己アピールがひどくて、自慢したいだけのスケールの小さな人間みたい……」と思ったことはありませんか。

それが間違っているとは思いませんが、自分の目指しているベクトルをきちんと意識することを忘れないでほしいのです。
ちなみにこの手の自己啓発系の人の中に比較的多いと思われるのが特定のビジネスモデルの普及がセットになっている事です。
本当は自己啓発を広めたいのではなくて特定のビジネスを広めたいだけかもしれません。

確かに良い仕事が得られて、やりがいがあって収入や時間が増えて自分がレベルアップできれば万々歳です。
しかし、そのビジネスモデルがあなたにとって合っていないものだったらどうでしょうか。
仕事とは必ずしも精神論だけではどうにもならない場合もあります。

たとえば気合と根性大好き系の人は、やりたくない仕事でも向いていない仕事でも、不本意な仕事でも、頑張ればいつかきっとそれが幸せに結びつくと思っています。
確かにそれは正解だと思います。
何も間違っていません。
ただし、それ系の価値観の人にとってはです。

そうではない人がどうなるかというと、それこそ心身を病みます。
病んでも、それが好きで楽しくて生きがいであるならば、それは自分が目指したゴールなので問題ありません。
思い残すことはないでしょう。
しかしそうではない人は「そこまで自分に鞭を打って、私は一体何を得られたのだろう？」と思うと思うのです。
「もっとはやく別の可能性を考えればよかった……」と後悔するかもしれません。

でも、やりたいこと優先で結果が出せずに悩まなかったらどうするのかと言われても困るのです。
そういう事も含めて、自分の人生の価値観に合わせた生き方が必要なのです。
自分に合っていない、誰かの価値観を鵜吞みにした自己啓発は危険なのです。

自己啓発は自分を変えたいという潜在意識の声かもしれません。
しかし、どう変わりたいのかのヴィジョンがなければ本当は無理に変わる必要はないのかもしれません。

たとえば、ムキムキボディを手に入れると人生が豊かになる風の謳い文句で筋トレをしたり、プロテインを飲んだりしたら幸せになれるのでしょうか。シュワルツネッガーのような肉体になれば本当に満足するのでしょうか。

またスティーブ・ジョブズのように独創性と美的センスを兼ね備えたビジネスパーソンになれれば最高の自分になれるのでしょうか。

もしかしたらガンジーのような生き方が理想的と感じる方もいると思います。
なら、サザエさんのように日常生活そのものが楽しいドラマのような自分こそ理想かもしれませんし、ジャンヌ・ダルクのように英雄になりたい人もいるかもしれません。
会社でどんどん出世するのが言う人もいれば、子を産み育てることこそ幸せと感じる人もいるかもしれません。

基本的な教養や、基礎体力は万人にとって必須ですが、そこから先にどんな人生を望むのか、どの方向に自己を啓発していくのが良いのかは、人によって全く異なるのです。
誰かに「○○って素敵でしょ？」とか「××な自分になりたくない？」と言われても、必ずしもそれが正しいという訳ではありませんし、無理に影響を受けたり共感をする必要はないのです。

なので、自己啓発の際には、自分がどの方向に向かいたいのか。自己啓発本の著者やセミナー講師は、どんなタイプの人間で、どんなタイプの啓発を勧めているのかを見極めて下さい。