ココロセラピストが語る!『社会不適応者に対する偏見』とは?~心の病って社会不適応者のライセンスなの?~

『自分探し』の旅で迷子になってしまって、心が病んでしまう人も確かに多いです。 でも、そもそも自分を探す必要なんてないのです。

 

人が環境を変える。環境が人を変える。

必ずしも環境が全員にとって同じ効果を生み出すとは限りません。
そのような環境が得意な人もいれば苦手な人もいます。
立場的に有利な人もいれば不利な人もいます。
たとえば、体育会系の学校や会社に入ってしまって、自分に向いていなかったら病んでしまっても不思議ではありません。
逆に体育会系の人がデスクワークの部署に配属されたら、それこそウツになるかもしれません。
「やる気の問題だよ!」という問題では無いのです。

少なくとも人間は知恵があるのですから、希望の環境に移動(異動)できるならさせてあげるのも良いと思います。
それが難しくても、馴染めない人の心が病まないように常に配慮してあげて欲しいのです。
同時に、「ここにいたら自分が病んでしまう」と感じている人は、最初から他人任せにするのではなく、思考錯誤して、それでダメなら自分から違う環境に移動(異動)して欲しいのです。

簡単に言うと、一流企業のネームヴァリューが惜しくて、明らかに不向きなのに会社にしがみついて病んでしまったとか、そういうことのないような思考を持って欲しいのです。
たとえ病んでしまってもネームヴァリューにしがみつきたいなら、それは自分が望み、下した決断ですので文句は言えません。
学校の部活でも、チーム内での性格が合わな過ぎたり、練習がきつすぎて耐えられないなら退部なり転部して良いと思うのです。
そうすると、出遅れた気分になりますし、後輩になってしまうので不利にはなりますが、心が病んでしまうよりはずっとマシです。

そして、そんな自分を「やっぱり私は無能だったんだ……」とか「やっぱり私は社会不適応者なんだ……」と決めつけないように注意してください。
自分で、それを肯定してしまったら、それ以上先には行けません。
「ほら。誰もフォローしてくれないし、慰めてもくれない……」と追い打ちをかけるように自分や他人を責めても解決しないのです。そしてそれは本質から大きくズレています。

『自分探し』の旅で迷子になってしまって、心が病んでしまう人も確かに多いです。
でも、そもそも自分を探す必要なんてないのです。
自分は「今、ここ」に既に存在しているのですから。

それよりも、自分のゴールを明確にして欲しいのです。
そして、考え、行動する。
どうしても自分のいる環境では無いと思ったら、自分が勝ち組、負け組という判断や有能や無能、社会不適応か否かの基準で考えるのではなくて、別の方法にトライして欲しいのです。

もし、それでも心が病んでしまったのなら、それについて考えてさらに病むのではなく、カウンセリングを受けて、自分自身と本気で向き合って欲しいです。
そして、無理をしなくて済む範囲で休息を取って下さい。

世界は広く、色々な人がいます。
誰が何処で何に向いているかなんて、その場に行って見ないことには正直なところわかりません。
ただ、何処に行っても自分や他者を思い遣る気持ちを持ち、そして双方が自滅しなくて良い方法を考える習慣をつけて下さい。
そして『社会不適応者』がどうこうではなく、『誰もが適応できる社会』を目指して下さい。

目指すのは「そういうのは、権力を持った偉い人が……」じゃないです。
僕たち自身が、です。

 

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