ココロセラピストが語る!『過去・現在・未来』とは?~過去を見るのは本当に意味が無いのか?~

過去そのものは決して楽しいものではなかったとしても、過去の認識を変える事によって今という瞬間に過去を繰り返す必要は無いのです。

 

過去の中の未来?

学校の例も会社の例も過去の延長上に現在があり未来があると思い込んでいる人たちは危険です。
そこには大きな見落としがあるのです。
「昔からそうだったから、今も、そしてこれからも同じ方向で……」は間違っているのです。

先ほど話した『前例』について考えてみましょう。
そもそも前例というのは誰かが新しい事を試した結果に生まれるものです。
そう考えると前例を作った人は既存の常識を捨てて画期的な何かをしているのです。
「前例が無い……」とか新しい事を許さないタイプの人たちからすれば、アウトサイダーという事になるでしょう。

そのアウトサイダーたちは過去も見ていたかもしれませんが、同時に未来(新たなる可能性)も見ていたのです。
僕たちはその事実を決して忘れてはならないのです。
僕たちは、過去の人たちは過去に未来を見ていたという過去が存在するという事を。
勘違いひた人たちが好んで使う『前例』は未来を見ていた人たちが作ったのだという事を。

そんな大切な事を忘れて過去の一部分だけを見ている人たちが大勢いるから、もしかしたら「過去を振り返るのはあまりよろしく無い……」という流れが出来てしまったのかもしれません。
でも、過去の中にも未来(希望)を見ていた人はたくさんいたのです。
忘れないで下さい。

 

だから私はダメ人間なんだ……

心が病みやすい傾向のある人も過去の存在を間違って解釈している場合が多いです。
「昔、酷い失恋経験をしたから、今の私は結婚できないんだ……これからも、きっと独身のまま孤独死するに違いないわ……」とか「子供の頃から頭が悪かったから今も頭が悪いんだ……。これからも見下される人生が続くんだ………」とか、そういうことを繰り返し自信満々に話すのです。
自信満々なのは良い事だと思いますが、それは決して誇れることではないのでむしろ決めつけたり、思い込んだりせずに、謙虚な姿勢で別の可能性も考えて欲しいと思います。

大きなトラウマ体験があったり、メンタルが著しく低下している時には『心理的視野狭窄症』といって、要するに心の視野がものすごく狭くなってしまうという現象が起こる事があります。
まずは、人間の心理パターンとして、そういうものがあると知って欲しいのですが、問題はその次です。

「じゃあ、仕方無いよね……」で人生を終わらせないで欲しいのです。
そうではなくて「私はもしかしたら、心の視野が狭くなって特定の思考パターンに陥っているのかもしれない……」と気付く事が大切なのです。
そうすると過去は過去でも別の視点で違う角度から物事を見つめ直せる可能性が高まります。
「そうは言うけど……」と思うかもしれませんし、その気持ちを否定するつもりもありません。
ただそれらにも特徴があるのです。

それは独りで抱え込もうとする事。
心の視野が狭くなっているというところまではわかっても、わかっただけで急に視野が広まるかどうかは個人差があるのです。
何らかの良い意味での心理的ショックで何らかの閃きや悟りが得られる場合もあると思います。
それは素直に喜んで良いと思います。

ただ「私が心理的視野狭窄症はわかりました。でも、だからどうだというのでしょう。何も変わらない私はやっぱりダメ人間なのかも……」という結論に導かないで欲しいのです。
そういうときは別の視野を持っている人(カウンセラーやセラピスト)に相談すれば良いのです。

特定のトラウマ体験を繰り返し繰り返し思い出していると、その時の記憶が強化されてしまいまう危険性があります。
ビデオで怖い場面だけが繰り返されているような気持ち悪さになってしまいます。

 

ちょっと待って。本当に過去を思い出してる?

ところで、過去を思い出す時って何を意識しますか。
おそらく過去の出来事を思い出します。
歴史の授業はまさに過去を遡って行く時間です。
年号と事件、関係者の名前を覚える作業を永遠に繰り返すという勉強方法をした人もいると思います。