お正月直前⁉︎ 2016年ってどんな年だった? 年が明ける前に振り返る‼︎

だいぶ前から『心の時代』と呼ばれていますが、今年は特にそれを感じました。 僕たちの心は何処へ向かっているのか。 僕も正直、この変化に戸惑っています。

どんなにビッグアーティストでも、日本でここまで騒がれる人ってどれくらいいるのでしょうか。
本当にすごい事だと思います。

このSMAP解散に関しては僕も思う事があります。
そもそもSMAPとは何なのでしょうか。
そう考えたときに思い浮かんだのが『絆』という言葉でした。

ジャニーズですので、基本はイケメン・グループです。
イケメンがいっぱいいれば、特に女性の方は嬉しいと思います。
でも、単にイケメンのグループが解散しても社会現象にはならないと思うのです。

SMAPの僕のイメージは、とても仲良しです。
本当のところどうなのか、実は不仲なのか、という点はあまり問題ではありません。
そもそも芸能人の仕事は夢を売る事です。

特にSMAPはキャラ設定というか、個性が強いです。
そんな違った個性の仲間たちが1つのグループで一緒に頑張って活動している。
個々の活動はあっても、最後はやっぱり全員集合。
そんなイメージがあります。

今の時代(特に21世紀になってから)は、集団というより個人の時代になってきました。
年功序列や終身雇用制もどんどん減って来ました。
若い人たちを見ていても『ぼっち』なる言葉が流行り、誰かが誰かと無理につながらなくても良いのではないか、という時代になってきた気がします。

大学を出たからと言って必ずしも就職できるわけもなく、就職しても必ずしも会社が社員を守ってくれるわけでもなく。
ただそれは一面であり、良い面もあります。
大学に行かなければ就職できないという思い込みからも解放されて来たのではないでしょうか。
そして大人は必ずしもサラリーマンになって同じ会社で定年まで在籍しなければならないという思い込みからも解放されました。

なので、昔のように、漫画家や声優になりたいとか、ミュージシャンになりたいと言っていた人たちが「そんな人気商売は危険過ぎるから止めておけ!」みたいなドリームキラー的発言をする人も減ったきたように思います。
これは「会社に入っても(いろいろな意味で)リスクが高い」のだから、人生のリスクを自分で選択して行くのも悪くは無いのではないかという考え方にシフトチェンジしてきたのです。

その時代の変化が良い事なのか悪い事なのかはわかりません。
枠の中でこそ活躍できる人もいれば、自由の方が活躍できる人もいます。
どっちも正しいのです。
だから、好きな方を自分で選択し続け、考え方が変わったらその都度、立ち止まり、自分自身を見つめ直し、軌道修正すれば良いのです。

ただ、日本人は古くから「右に倣え」的な生き方で「みんな同じ」みたいな考え方を好んで来たので、この近年の急激な変化には潜在意識レベルで脅威を感じているかもしれません。

特に今の時代。『みんな同じ』『みんな仲間』『みんなつながっている』という意識が崩壊してしまい、潜在的に『孤独』という恐怖に襲われてきているのかなという気もします。

みんなが学校で同じ授業を受けて、放課後は部活をして、また学校に行って、似たような進路を選択し……という枠の力が強かった時は仲間意識というものに不安を感じる人は少なかったかもしれませんが、今は「塾だから」「ダンス教室だから」と、放課後もみんな違った事をしています。
必ずしも部活に入る事が美学みたいな時代も終わりつつあります。
みんな、自分の人生があり、自分で選択し、決断する。そんな時代になって来たのです。

その反動か、若者の間では『既読スルー』という言葉も流行っています。
みんな一緒ではなくなってきたからこそ、モバイルを使ってでも誰かとつながり続けたいのです。

話を戻します。個人化が進み、集団幻想の枠から解放され、自由になってしまったからこそSMAPが絶大な人気を誇っていたのではないかと僕は思うのです。
言うなれば仲間(つながり)の象徴です。

人は一人では生きてはいけません。誰かと接点を持ち、互いに助け合い、支え合い、生きて行くものです。
これは、今も昔も変わらない不変のルールです。
ただ、日本人同質化幻想(?)の時代は終わり、個人の人生の質(QOL)と向き合う時代になったのです。個人と集団。集団と個人。このバランスを制する人たちこそが次世代のリーダーになると僕は思っています。

SMAP。それぞれ違った個性が、1つのグループとしてまとまっていて、仲良し。
個々の活動が多くても絆は絶える事は無い。
そんな現代人の理想のようなイメージが彼らの人気の秘訣では無いのかと思うのです。
しかし、その象徴が崩壊してしまうとなれば、大問題です。

SMAPという幻想(理想)がSMAP解散というリアルとして浮き彫りになってしまったのです。
もしかしたらSMAPの解散はたかが芸能ニュースではありますが、見方によっては日本人の精神性の大きな分岐点になるのではないかという気もします。