ココロセラピストが語る!『ストレスの存在意義』とは?〜ストレス・ゼロは本当に良い事なのか?〜

「ストレス=悪」ではなく「ストレス=自他に対する思い遣りのポイント」と解釈して見ると、何か新しい視点で物事が見られるような気がしませんか。

ストレスは無限にある!

ストレスにもたくさんの種類があります。有史以来、いや、それよりも昔から、無限にあります。もちろん良いストレスもあります。俗に言う良い意味での刺激などはまさに良いストレスだと思います。

ただ、悪いストレスを溜め込んでしまうと人生の質(QOL)が著しく下がってしまいます。ちなみに小さなストレスなら自然に撥ね退けたり回復したりできます。もし、小さなストレスもまともに受けてしまっていたら人類はとっくの昔に絶滅してしまっていると思います。そう考えると、私たちは案外ストレスに強いのかもしれません。

 

気合いと根性!

ただ、だからといって気合いと根性こそ素晴らしいといった偏った方向に進んでしまうとこれがまた問題というか、新しいストレスにさえなってしまいます。

気合いも根性も、要するに考え方次第で何とかなるという源流から枝分かれした考え方なのだと思います。確かに耐え抜く喜びというものも存在します。たくさんのストレスに耐え抜いた自分が誇らしく思えたりすることもあります。耐え抜いた先にストレスからの解放があった時の解放感はたまらないものがあります。だから僕は必ずしも気合いや根性論の全てを否定するつもりはありません。そういった考え方、手段の方が好きな人がいても良いのです。

「心頭滅却すれば火もまた涼し」という言葉があります。気持ちの持ちようでどうにでもなるという事です。僕自身、夏の暑さに負けそうな時は、頭の中でこの言葉を繰り返し唱えている時もあります。実際の気温を落とす事は出来なくても、何となく楽になったような気がするものです。

ただ、これは気合と根性論に似ていますが、僕は少し違うと考えています。というのも、心頭滅却するまでは確かに大変です。しかし、それが慣れて来て自在にできるようになれば、暑さというストレスに耐えられるようになったのではなく、厳密には暑さをストレスと感じ難くなったという事なのです。

催眠も同じです。催眠は錬金術ではないので物質を別の何かに変える力はありません。しかし潜在意識をコントロールして自分の思考、感情等を変えます。だから、暑くても涼しく思えたり、寒くても温かく感じたりできるのです。これも、気合と根性論と勘違いされるかもしれませんが、さきほどの話と同じで耐えているわけではないのです。

後、『M』(マゾ)の人も、痛みや苦痛(ストレス)に耐えるのが好きなのでストレスが必ずしもマイナスではありませんね。

ストレス対策は、色々あると思いますが自分にあったストレス対処法を見つける事が重要なのです。情報過多な時代ではありますが、すべてを鵜呑みにするのではなく、自分自身に適しているかを考えながら情報を探してみると良いと思います。

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ストレスを感じなくなりたい?

ところでストレスを感じなくなれば幸せになれるのでしょうか。先ほど、心頭滅却や催眠の話をしました。しかし、これも万能とは思わない方が良いです。

何事も妄信は禁物です。どういうことか説明します。たとえば、暑さや寒さを感じない身体になったら暑くても寒くても平気なのかという事です。

度々話題に上がって来る部活問題をイメージして見て下さい。熱い炎天下の中、過酷なトレーニングをしている学校も少なくないと思います。たとえば、そこで暑さを感じなくなる術か薬を誰かが提供してくれたとします。副作用は一切ありません。ドーピング扱いにもならないとします。そうしたら、炎天下で今まで苦しんできた生徒たちは、より充実した部活動が出来るのでしょうか。

答えはNOです。そして、それこそ悪い意味で大問題になってしまうと思います。それは何故でしょうか。それは今まで以上に熱中症でバタバタと生徒が倒れるであろうからです。

どう言う事かというと、根本的な事を忘れているのが問題なのです。そもそも何故人は暑さや寒さを感じるのでしょうか。暑過ぎたら危険、寒過ぎたら危険だからです。身体に悪い影響をもたらさないためにシグナルとして暑さや寒さを感じられるのです。ということは、暑さ寒さの感覚を麻痺させて、炎天下でひたすら練習に集中していたら、その間に自分の身体の危険を察知する能力が麻痺しているので、どんどん弱って行ってしまうのです。

暑くなければ喉も乾かないかもしれません。汗もかかないかもしれません。そうなると、脱水で倒れてしまうかもしれません。でも、部活時間内は目一杯、練習をしなければならないと思い込んでいる人たちは、休憩して水分補給をする必要性を忘れてしまいます。それを効率が良いと勘違いしてしまうのです。

暑くてイライラする(ストレスがたまる)のは意味が無いわけではないのです。「体温調整が必要です。涼しいところに移動して下さい。身体の水分が足りなくなって来ました。補給して下さい」と身体が教えてくれているのです。

寒いのも同様です。極寒の中、寒さというストレスを無くしてしまったら。恐らく肺炎になると思います。ちっとも良い結果には繋がらないのです。