確かに道端に倒れている人というと、カッコつけずに正直に言うとトラブルに巻き込まれそうな予感がします。倒れている人がそもそも生きているかどうかもわかりません。近づいて確認するのもかなりの勇気が必要です。
もし最悪の結果だったらどうして良いかわからなくなるかもしれません。事件性が疑われたら警察にあれこれ事情聴取されるかもしれないと思うと悪い事をしたわけでは無くてもなんだかイヤな気持ちになって来ます。
起こしてみたら酔っ払いだったとしたら、やっぱり関わりたくはありません。「じゃ、そういうことで……」と言って逃げるのも微妙ですし介抱もしたくありません。急性アルコール中毒だったら、さすがにそんな事は言っていられませんが……。
でも、百歩譲って近寄りたくなかったとしても、仮にそこが駅なら駅員を呼ぶ人が誰かしらいても良さそうなものです。近くに交番があれば警官に「○○に倒れてる人がいましたよ」くらいは言えそうなものです。
いくら都会人であろうと、みんながみんな秒刻みで忙しいわけではないと思います。そして都会人が冷酷無慈悲だという事もまずありません。徹底的に、みんながスルーメン化してしまうのはやはり不思議です。
もし頻繁にそのような光景があちこちで見られるとしたら、それが日常、つまり当たり前に思えていちいち気に止めてなどいられないと言う思考になってしまうかもしれません。
しかし、そこまで日常化しているとしたら自治体や、警察などがパトロールするなり手を打っているとも思えるのです。
偉そうなことばかり言っている僕ですが、僕自身、感覚がマヒするほどそういう事態に遭遇していたらやはりスルーマンになってしまうかもしれません。
自分が良い人かどうかはさておき、感覚がマヒしてしまうほどのレベルであったら、それこそ都民以外の人たちも含めて、みんなで原因追求や対策を練った方が良いかもしれません。
あまりにも不可解な点が多く、本当はこの話は都市伝説なのではないだろうかと思えて来ます。
日本はもう終わっている国なの？
「日本は腐っている！」とか「日本は終わっている！」とか、そういう意見もチラホラ耳にするようになってきました。
確かにそう思える節も多々あります。政治の影響も大きいと思います。海外からの圧力の影響かもしれません。これといった決定打はありませんが、いろいろな要因が絡み合っているのでしょう。
でも、ちょっと待って下さい。国が悪い方向に向かっているとしたら、それは許し難い問題です。しかし、もっと重要な事があります。
それは自分自身はどうなのかという問題です。僕たち、個人個人の心が腐っていたら、どんなに国や、その他に不平不満を言っても、正論を言っても意味はありません。説得力が無さ過ぎます。
僕たちは人間らしい心を失わずにきちんと持っているでしょうか。人として正しい道を生きているでしょうか。その問題を直視せず、自分以外の誰かに国の良し悪しを言っても無駄です。
どんな人間が増えれば、良い国になるのか。自分はその該当者なのだろうか。そうでないとしたら、どうすればなれるのか。まずは、その辺りから見つめ直していく事が重要ではないかと思うのです。
僕は別に完璧な人間など目指してはいません。聖人になる気もありません。でも、完璧人間ではなくても聖人では無くても、人と人は手を取り合ってお互いに支え合えると信じています。
スルーメンの件に限らず、僕たちは自分と他人をより大切にしようという気持ちを忘れないように持ち続ける事が大切です。
時にはどうにもならない事もあります。でも、自分にも他人にも無関心にならないように意識し続ければ、奇妙な世界に紛れこんでしまってもスルーメンにならずに済むかもしれません。
いえ。それ以前に奇妙な世界に紛れこまずに済むかもしれません。
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