28年に一度だけ！ 天地創造の太陽を拝むルカット・ハチャマ 〜Judea〜
「神は太陽と月と星をつくり、天に置き、昼と夜を支配させ、光と暗黒を分けた」。天地創造の4日目に神が太陽を配置したとされる天体の星回りと、同じ軌道で太陽が通るのは28年周期。ビルカット・ハチャマとは、28年に一度の太陽を拝み祝福する礼拝だ。
唯一神を信じるユダヤ教徒にとって、神とは「形がなく、永遠。すべての人が正しく慈悲深い行いを成すことを望んでいる存在。人は誰でも神の形に創造され、尊厳と敬意を持って扱われなくてはなりません」とイスラエル大使館のエイダルマン氏。戒律を守る敬虔な生き方は、日本人とは違いストイック。たとえば出エジプトを祝うペサハ（過越祭）の祝祭日には、パンの摂取は禁止、半日かけて「ハガダー」という戒律を粛々と読み上げる。日本ならば食べ物や行動の禁忌はほとんどない。けれども朝一番の太陽に神を感じる気持ちはたぶん同じ。ビルカット・ハチャマの日に、ユダヤ教徒は太陽を眺め「創造神よ、世界を治める王よ、そしてあなたに恵みを」と何度も唱える。
次回天体配置に太陽をいただく次のチャンスは２０３７年。その日を迎える瞬間に、誇らしい自分であるかどうかは、未来を見据えた日々の積み重ねにかかっている。
Photo:Sebastian Scheiner／AP／アフロ
マサダ要塞〜Masada Fortress〜
地上から標高400mの岩山にあるマサダ要塞は、イスラエルのなかでも最も早く朝日を拝むことができるスポット。東に位置する死海の湖面からピュアな太陽が昇る。またマサダ要塞はユダヤの民にとって先祖が民族の誇りを守った象徴。自らの血統に誇りを取り戻す地でもある。
Special Thanks:在日イスラエル大使館、サンバル食堂、
クハイハラウ・オ・カプアオカナウパカ・パ・オラパ・カヒコ
神々の島バリを守るパワースポット！ ブサキ寺院〜Bali〜
毎日どこかでお祭りや儀式が行われている神々の島バリ。独自の暦「ウク暦」「サカ暦」に基づいた多くの宗教的行事がある。
「バリでは、自身の周りの環境を整え、セレモニーを行うことが最高の浄化とされています。毎日、朝食をいただく前に、最初のご飯を道端に置いてお供え物をします」とクトゥ・アルサナ氏。暦の節目だけでなく、月のエネルギーが満ち、心身に影響を与える新月、満月の暦に合わせたお祭りもある。
「新月の位置は地球の真下。月が地球の真下にあることで、月のエネルギーが下から上がり、地球のエネルギーそのものが上昇する日が新月にあたります。新月の日は自然のエネルギーがとても満ちているのです。満月は、月が地球の周りをくるくると回り、水が月の影響を受けて引かれながら一緒に動いていく。私たちの心や魂にも影響を与えるほどです。新月・満月には断食、ヨガ、瞑想を行うことも大切」。
Photo:mauritius images／アフロ
サカ暦の新年を祝う「ニュピ」は、悪霊が去るのを瞑想して待つ「静寂の日」。ウク暦の「ガルンガン・クニンガン」は、祖霊がこの世に戻ってきて、再び送り出すお祭り。バリ島の人にとって祈りは日常的で、ストレスに感じるくらい数多くのセレモニーが日々行われているが、形骸化しつつあるのも事実だという。
クトゥ氏は「大きなセレモニーをするから幸せになるのではなく、セレモニーを通していかに自分の内側につながり、幸せを見つけるかが大切なのです」と語る。
ブサキ寺院〜Besaki Temple〜
クトゥ氏がお勧めするバリのパワースポット。バリ島には、ご先祖様が寺院を配置してつくったエネルギー・マンダラがあり、バリ島を守護するシンボルになっている。ブサキ寺院は、バリにある9つの聖なるお寺のうちの一つでバリ・マンダラの中央に位置している。
協力:クトゥ・アルサナさん／バリ島「ウブドボディーワークセンター」のオーナー・ヒーラー
TRINITY41号より
