大麻と神道・神事にかかわる前世の記憶〜伝統的植物・大麻の利用について

私達は危険性を持つものを完璧に安全な扱いが出来る賢い生き物でしょうか? そして、全員がそうなれるでしょうか?

広い社の中。私の前方の壁には祭壇。残りの壁は全て板戸。暗く重い空気。中央に巫女の装束を身に着け座る私。まだ10代くらいの娘でした。

板戸が開けられ、向こうに整えられた庭が見えました。
そこから顔を見せる浅葱色の袴を身に着けた青年。
私はその青年に会えるのを心ひそかに楽しみにしていました。
それしか、当時の私には楽しみと言えるものがありませんでした。

何故なら私の座る周囲には大麻によって結界が張られ、大麻の煙で酔わされ、軟禁されていたからです。
当時霊力の強い巫女だった私は、時の権力者の為に政敵を呪い殺すなどをさせられていたのです。

その後の記憶はおそらく20代前半。敷地内建物にある座敷牢に両手を縛られ繋がれた私。
精神のバランスを崩し、使い物にならなくなったようです。
それが心労によるものなのか、大麻を長年使い続けたからなのかはわかりません。

 

同じように巫女時代の記憶を持つ人々

それは私のとても特殊で個人的な前世の記憶のように思われました。
けれど、この仕事を始めてから、同じように巫女として神社へ集められ、大麻の煙に酔わされ、意に添わない神事をさせられていた記憶を持つ数人の方にお会いしました。

彼女たちは前世でも現世でもある程度の霊感があり、それ故に前世では巫女として生まれ育った村の期待を一身に集めて大きな社へ召しだされたのです。誇らしげに村を出た彼女たちのその後を知る者はいませんでした。どんな仕事をするのか、秘密にされていたからです。
実際にはその身に神をおろし、権力者たちに神と交わらせる性的神事の憑代とされていたのです。

10代の半ばに巫女となり、20代になる頃には身心に異常をきたし、冬の石牢に鎖でつながれ、春になる前に息絶えていたそうです。
私の出会った数人の方はそれぞれ知り合いではないのに、似通った記憶を持っていました。

彼女たちは現代になっても当時の記憶を持ち、生きにくさを抱えています。
例えば手首や足首などを締め付けるものが嫌いだったり、男性嫌悪症だったりします。
大麻にかかわる物事を見聞きすると頭痛がし、ひどく嫌な気持ちになるそうです。

そのような体験から、確かに神道では大麻が使われていたと私は「知って」います。

けれど、それが必ずしも、誰も苦しめない使われ方だったとは言えないとも知っています。

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これは、人間の賢さの問題です

大麻の安全性や有用性については科学的根拠など色々な議論があるでしょう。

けれど、初めにも書いたように大麻そのものがどうというより、それを扱う人間の問題です。
この世界は0か100かではなく、完全な悪も善もなく、わずかなりとも相反する要素を持ち合わせています。

安全に使う方法があったとしても、それを使う人間が必ずしも安全に使うとは限りません。
それは、美味しい料理を作る包丁も、遠くまで人を運ぶ自動車も、電力を生み出す原子力もそうです。

私達は危険性を持つものを完璧に安全な扱いが出来る賢い生き物でしょうか?
そして、全員がそうなれるでしょうか?

そうありたいと思って、そうなれるものでしょうか?

大麻は「ゲートウェイドラック」と言われています。麻薬依存の入り口となる物という意味です。
それを私達は本当に安全なだけの使い方が出来るでしょうか?
子どもたちの手に入る場所においても絶対大丈夫だと言い切れるでしょうか?

一番の害は無頓着に自分の考えを持たないことです。
どうか、各々よくお考えになっていただきたいと思います。

 

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