神社カフェ発信 タロットについてPart.2 「愚者」

日本的な意味合いをしっかりと感じていくことで、タロットの世界は「吉・凶」などといった意味を遥かに超えて、信じられないほど豊かな世界が広がるものだと思います。

 

東洋と日本の愚者のイメージ

東洋や日本でも、愚者は多くの場面で語られます。

「寒山・拾得(かんざん・じっとく)」
唐代に中国に実在した2人の道人(僧侶ではないが寺に属する人)で、馬鹿のようであったが、自在に暮らし、その暮らしぶりが聖なるものだとされ、絵画の主題となりました。

【「寒山・拾得図」日本18世紀 周文画】

【「寒山・拾得図」日本18世紀 周文画】

 

「布袋(ほてい)」
皆さまご存知だと思います。唐代の禅僧で、白痴(はくち・バカ)だったといわれていますが、自由闊達に生き、袋に入れた菓子を子供に配って歩きました。

禅宗では、「愚のごとく魯のごとく座る(バカのようにアホのように座禅する)」という言葉があり、徹底して修行することが重んじられました。

【「布袋図」日本 19世紀 白隠禅師 画】

【「布袋図」日本 19世紀 白隠禅師 画】

 

さて、違いに気づかれましたか。
文化的に見ると、西洋における「愚か者」が、社会変革や破壊のイメージを孕んでいるのに対し、東洋ではそういったイメージは希薄なのです。

東洋では、明らかに、愚者であるということの意味合いは、知恵や道徳など、内面に向かいます。
あるいは、愚者だからこそ、一つのことに集中して取り組む、などという意味合いが強くなり、日本において、それは「道」の文化となりました。

【左・「宮本武蔵像」島田美術館蔵 右・「千利休図像」長谷川等伯】

【左・「宮本武蔵像」島田美術館蔵 右・「千利休図像」長谷川等伯】

 

剣道や茶道など、「愚か者のように徹底してその道に集中して極め、凄まじい感性や技能を身につけ、人でありながら人でなく、神のような技芸を身に着ける」という、芸道の文化に繋がりました。
つまり、西洋における「愚者」的なものは、日本では「極める」「道」に繋がる感性であるということです。

 

道は開かれている

PIC8

 

そして、占いというのも明らかにひとつの道なのです。

上の図像は、神々の森神社カフェで発行している「神々の心のタロット」の「愚者」にあたる、「神を求む」で、道が描かれています。

こうした道を進み、日本の精神性を感じながら、感性を極めていくことは誰にでもできます。
神々の心のタロットとともに深めることで、心の本質や未来が、ありありと見えてくることと思います。
それは、どこまでも深められる道なのです。

補足:「占い」は、現代では忘れられつつある「日本の精神的な道」の中心である
という主題は、後日「魔術師」のカードで扱います。

 

「神々の心のタロット」認定セラピスト講座を開催しています

【「神々の心のタロット」セラピスト講座風景・「神々の心のタロット」神社カフェ発行】

【「神々の心のタロット」セラピスト講座風景・「神々の心のタロット」神社カフェ発行】

 

日本的な意味合いをしっかりと感じていくことで、タロットの世界は「吉・凶」などといった意味を遥かに超えて、信じられないほど豊かな世界が広がるものだと思います。

この記事の発信元の「占いカフェ 神々の森神社カフェ」では、神々の心のタロットの講座を開催しています。

占いは、自分自身の心や未来をつかむことができ、文化的な背景までを理解し、さらに仕事として展開もできるような素晴らしい技能です。
より多くの方に、この豊かな世界を感じ、人生と人間性の豊かさを広げて頂ければと思います。

神々の心のタロット セラピスト講座 ただいま開催中です
こちら

日本の霊性で本質と未来を捉える、全く新しいタロット
神々の心のタロット

東京新宿区 高田馬場 占いカフェ×神社 全く新しい癒しの空間です
神々の森神社カフェ

 

《北澤礼詞 さんの記事一覧さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E5%8C%97%E6%BE%A4%E7%A4%BC%E8%A9%9E/?c=73553