神社カフェ発信 「タロット」の考察~「悪魔」について~

神社カフェで発行している「神々の心のタロット」は、タロットの意味の本質をとらえ、日本の精神的な流れや、日本の太古の占いの思想に位置付けることをしています。

東京新宿区 高田馬場にある、「占いカフェ 神々の森神社カフェ」からの発信です。
今日は、タロットカードについてです。

タロットカードは、現在、一番知られている占いのひとつではないでしょうか。

15~16世紀くらいのイタリアで突如として現れた神秘のカード。

いろいろなデザインのカードがあります。(大きくは4つの系統があると言われている)
こういうもので色々なことが分かるとしたら、とても素晴らしいな、というロマンがかきたてられる感じがしますね。

 

◆キリスト教の思想が強く、読み取るのが難しい

反面、とっつきやすいようで、なかなか使いこなすのが難しいものでもあります。
なぜ難しいのか。その理由はいろいろあると思いますが、ひとつは、タロットカードの図像は、やはりキリスト教の影響が非常に強いからだと思います。

たとえば、タロットカードには、我々の目から見ると、どう見ても「不吉」としか思えないようなカードが存在します。典型のひとつが「悪魔」などでしょうか。
悪魔のカードを見て、「ウッ」と、不気味な感じを覚えない方はいないのではないでしょうか。

【「神々の心のタロット」に同封のマルセイユタロットの「悪魔」 神社カフェ発行】

 

◆時代背景や、キリスト教を理解すると想像はできる

しかし、タロットカードが現れたのと同時代の、イタリアやフランスの状況を理解すると、少しイメージが変わるかもしれません。

時は、ルネサンスの末期から近世初期のイタリアです。ローマ教皇庁は、史上最も乱れていた時期と言われています。
・ローマ教皇も諸侯の一人として、たくさんの妻を公然と抱え、ローマ教皇庁には娼婦が満ちていたと言われています。
・イタリアは小国に分かれ、内部でも戦争続きで、フランスとも戦争が頻発していました。
・反面、宗教改革で新しい流れが登場し、異端と言われるキリスト教の分派運動も盛んだった時代です。
・そうした中で商人が力を蓄え、富豪が多く出てきました。
これらの動きから、近代のいろいろな思想や革命につながる流れが起こってきます。

【「イタリア戦争・パヴィアの戦い」作者不詳 バーミンガム美術館】

 

◆「悪魔」の意味と、日本の精神との繋がり

「悪魔」を改めて見てみましょう、この時代の人たちにとっては、「古い権威に対する自由さ」というような意味もあった感じがします。

ヨーロッパの方と話すと感じるのが、キリスト教はやはりとても厳格だということです。日本の伝統宗教はあまり人を縛ることをしませんが、キリスト教は、戒律であったり権威であったり、そういうものが非常に厳しいのですね。

そうしたものからの「解放」が悪魔のイメージには確かにあります。
日本の精神でタロットの悪魔というものをとらえると、これはまさに「荒ぶる神の力」と言えるのではないかと思います。現状を変え、しっかりと自分を打ち立てるということです。

【「神々の心のタロット」の「魂振」と、伝統タロット「悪魔」 神社カフェ発行】

神社カフェで発行している「神々の心のタロット」は、タロットの意味の本質をとらえ、日本の精神的な流れや、日本の太古の占いの思想に位置付けることをしています。
悪魔は「魂振 たまふり」のカードとなっています。

強い意志で現状を自由に変える、こうした働きはキリスト教世界では、「悪魔」などとイメージせざるを得ないのですが、日本だと、それはまさに「荒々しい神を降臨させる」ということでした。そのための祓詞(はらえことば・呪文のようなもの)もあります。

右側の「魂振たまふり」カードにはそうした祓詞が書かれており、イメージを深めていくと、心の中で働くいろいろな力が見えてきます。そして、やはり日本人にとっては、日本の精神の流れの中でどうなるか、を感じていく方が、明らかに深まりが出てきます。

日本的な意味合いをしっかりと感じていくことで、タロットの世界は「吉・凶」などといった意味を遥かに超えて、信じられないほど豊かな世界が広がるものだと思います。

【「神々の心のタロット」 神社カフェ発行】

東京新宿区 高田馬場 占いカフェ×神社 全く新しい癒しの空間です
神々の森神社カフェ

 

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