神社カフェ発信　タロットについて　４「月」後半

日本神話には三貴神とよばれる重要な神々がいますが、天照大御神（アマテラスオオミカミ）と須佐之男命（スサノオノミコト）・月読命（ツクヨミノミコト）（この２神を同一としている神話もある）のことです。これは「太陽」と「月」の象徴とも読むことが出来ます。

明治時代の神道思想では、「顕露界　けんろかい＝はっきりした現実世界」を司る天照大御神に対し「陰幽界　いんゆうかい＝はっきりとはしないが、広大な心と魂の世界」を司る神とされている須佐之男命・月読命という風に言われたりもしました。

須佐之男命は、日本的な呪術や占いとは関わりが非常に深い神格です。そして上の通り、これは陰であり月です。この話は、はっきりとはしないが、基盤となる、精神の大きな力が非常に重要である、という意識だと思います。上で見た通り、これは、現代の我々の中にも残っている意識だと言えます。

【平田篤胤「古道大元顕幽分属図」江戸時代後期 ― 下段に須佐之男命・天照大御神】

神々の心のタロットの「月」と占いの力

神々の心のタロットに戻りましょう。月は、太陽に比べれば薄暗いです。しかし、陰であり暗闇である、その中には、確かに蓄積されていく、精神的な力や感性の世界があります。

そして、実はそうした力こそが本当に現実を動かし、重要なものであることは私たちが感じていることだと思います。月・陰は明確なものよりも分かりにくいのは確かであり、抑圧されやすく、悲哀とも繋がると言えるでしょう。しかし、月の光は、何よりも精神の力であり、基盤を作る時なのです。

【「神々の心のタロット」の「月」　神々の森神社カフェ発行】

そして、占いというものは、まさにこうした精神の基盤を感じていき、物事の本質や未来を知ることなのです。
占いセラピーで常に感じることですが、「はっきりとした現実そのもの」よりも「それをどのように感じ、とらえるか」という心の持ち方・態度こそが最も重要です。

この心の持ち方を正しく定めることにより、もやもやした思いはたちどころに解決します。恐怖を、コンプレックスを感じていたことが、先まで見通せるようになる。未来が分かる・掴める。これは本当にそうなのです。
はっきりしないけれども、確かに神聖なものは存在し、悩みや気になることを通じて、それは私たちに語り掛けようとしているからです。

どのように「捉えたらよいか」という、心の姿勢が正しく定まれば、悩みの本質はたちどころに分かります。未来もはっきりと掴むことができます。これはとても簡単な話なのです。

そうした気づきをご一緒に感じていくのが神社カフェ・神々の心のタロットの占いセラピーであり、軸となるものです。