癒されるはずが全治数週間!? 最近注目されているマッサージによる健康被害

若い頃ならば多少無理な施術を受けても、筋肉が回復してくれますが、年齢とともに自然治癒力が落ちますので、「同じ感覚で施術を受けても怪我をしてしまう可能性が高くなる」のです。

【どんどんと増えるマッサージ店】

最近、マッサージや整体のお店が増えてきています。パソコンやスマートフォンなどの電子機器を使うことで、肩こりなどの症状を訴える人が多いせいか、それともストレス社会の中で手軽な癒しを求める人が多いのか、どちらにせよ、多くのニーズがあるからこそ、お店が増えてきているのでしょう。中には非常に低価格なものや、24時間営業のものもあり、かなり「一般的になっている」といえるでしょう。

 

【激増する健康被害】

そんなマッサージ店ですが、手軽に癒しを与えてくれる反面、ここ「数年で健康被害が激増している」ということをご存じでしょうか? 国民生活センターへの相談だけでも、「年間1000件以上」に昇っており、中には頸椎損傷などの重大な被害を受けている人も存在しています。このような状況の中で、もっとも悲惨だったケースは、「2014年6月に乳幼児マッサージを受けた0歳児が死亡したもの」です。マッサージなどで首にアプローチする手法についての危険性は以前から指摘されてきました。今から25年以上前の1991年に厚生労働省が「頸椎にたいして、急激な回転伸展操作を加えるような行為は禁止すべき」だと警告しています。

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【誰でも整体師を名乗ることが可能】

にもかかわらず、上記のような事件が起きてしまったのには、「マッサージや整体などにはしっかりとした国家資格が存在しない」ために、誰でも整体師やマッサージ師を名乗れてしまうというのが大きな要因といえるでしょう。マッサージや整体などは、「医業類似行為」に分類されますが、その中できちんとした国家資格が存在するのは「あん摩マッサージ指圧」「はり」「きゅう」「柔道整復」のみとなっています。

他のものに関しては民間の団体が独自に資格を発行している状態であり、素晴らしい技術を持ったものもあれば、思いつきで誰かが作り出したようなレベルものまで玉石混交の状態なのです。
そのために、「知識や技術のない施術者によって健康被害が生み出される」わけですが、昨今のマッサージブームによって、このようなレベルの低い施術者が大量に産み出されていることもあり、年々被害が急増してしまっています。