一日一話、心に灯をともすショートストーリー:行く手を阻む障害物の意味~ The Obstacle in our Path (7)~

私たちにはなかなか理解しがたいことかもしれませんが、人生に訪れる苦難や困難は恐れるべきことではありません。苦難や困難は状況が好転するきっかけかもしれないからです。

あるところに茶目っ気たっぷりでお金持ちの王様がいました。

この王様は道路の真ん中に大きな石を置き、そばに隠れました。
誰がこの石を脇に動かすだろうかと、固唾をのんで見守っています。

最初にやってきたのは、豊かな商人たちでした。
次に王家の家臣たちもやってきました。
彼らは全員、石をよけて歩き去っていきました。
中には、王様は道路の補修をさぼっていると非難する者もいましたが、石を動かそうとする者は一人もいませんでした。

 

最後に百姓がやってきました。

彼は腕一杯に野菜を抱えていましたが、巨石に近づくと抱えていた荷物を地面に置き、石を脇へ動かそうとしました。
汗水流して力を尽くし、ついに道路脇までもっていくことが出来ました。

自分の荷物をまとめ、先に進もうとすると、石が置いてあった場所の下に財布が落ちているではありませんか。
百姓が財布を開けると、金貨と紙幣がぎっしり詰まっています。
王様からのメモも入っていて、そこには「財布の中身は巨石を道路わきに動かしてくれた報酬です」と書いてありました。

どんな障害物も、状況が好転するきっかけとなります。
王様はこの百姓を通じて障害の本当の意味を教えてくれました。

出典: https://www.livin3.com/5-motivational-and-inspiring-short-stories