Trinity Travel More Story中国・杭州~諸葛八卦村~

風水をもとにつくられた村 幸運を得るも得ないも八卦!?

■諸葛孔明と風水の叡智が生きる村 

中国古来の叡智、風水。気の流れに調和して厄除けや気の上昇を図るなど、日本でもおなじみゆえ実践している人も多いのでは? 本場・中国には風水をベースにつくられた村が現存している。

杭州より車で3時間程度の浙江省蘭渓市にある「諸葛鎮」は、三国志の主要人物である諸葛孔明の末裔がつくった村。孔明本人は住んだことのない土地だが、村人の80%が「諸葛」姓を名乗り、子孫であることに誇りを持ち、生活のなかにも先祖の教えが浸透しているそうだ。

 

さて、諸葛孔明って誰? 3世紀の中国が「魏・呉・蜀」の三国に分かれていた時代を「三国志」と呼び、その戦乱のさなかに活躍した人物。蜀を統合していた劉備に仕えた軍師で、その戦術と政治的な戦略は天才といわれ、現代の中国はもちろん、日本では小説やゲームとなって根強いファンを持っている。

孔明からは27代目の諸葛大獅が風水によって選び出した土地につくられた「諸葛鎮」は別名、諸葛八卦村。陰陽の太極を表している貯水池と広場を中心にして、8つの道が8方向に伸びる。

それは、風水の八卦「坎・艮・震・巽・坤・兌・乾・雛」と同じで、上から村を見ると太極八卦図の形をしているという。山々に囲まれた村を外部の人間が見つけ出すことは難しく、迷路のように入り込んだ複雑な路地は、侵入者が簡単に逃れられないという構造。数々の戦火を潜り抜けたのも、風水と八卦の構造が村を守ったといわれている。

 

村の中心には、陰陽と八卦陣を表す図がある

 

■運試し!?風水の村で発見したおみくじ

明・清時代の面影を残す諸葛八卦村の建物は中国の文化財に指定され、時の経過を忘れたかのようなノスタルジックな雰囲気に包まれている。古き良きスピリチュアリティが息づいているようだ。

「丞相神卦祠堂」という建物には諸葛家の先祖が祀られていて、まるで神社のような面持ち。

「丞相神卦祠堂」の奥にある神格化された孔明像の前では、「孔明神卦」というおみくじを引くことができる。

銅銭4枚を手に持ちながらお願いごとをして、「孔」「明」「神」「卦」という文字が中央に書かれた板の上に銅銭を“チャリーン!”と落とす。その銅銭がどこに転がったかで運気を読むというもの。神社ならば宮司にあたるかもしれないご老人がナビゲートしてくれる。編集部も早速体験してみた。銅銭を投げた後、日本のおみくじと同じようにご老人から紙片を渡される。そこには結婚や金運、旅行、健康等に関する項目があり、中国語なので読めないが、見出しに「禄」という文字が書いてある。お金が豊かさが入るという意味らしい。「福」という文字にも「ネ(ねへん)」が入っていることから、大変ありがたいことで、日本でいうなら大吉だとか。

これこそ当たるも当たらぬも八卦!?

 

村のお土産屋さんには、風水に関するグッズも多数

 

「孔明神卦」のおみくじは、この板の上に銅銭を投げる