「現代の魔女もとんがり帽子や大釜を使う?」 〜現代魔女事情 その2〜

魔女は「月の女神を信仰する流派が多い」ために、月のエネルギーは非常に重要なものとなっているのです。

【古典的な道具がエネルギーワークのシンボルになる】

前回は、古典的な魔女と現代の魔女について、その歴史と魔女の性質について紹介しました。
今回は、「現代の魔女がどのような魔法を使っているのか」を具体的に紹介したいと思います。

まず、魔女といえばイメージされるものが「とんがり帽子」。
古典的な魔女にはつきもののコスチュームですが、現代の魔女はこれを「エネルギーワークのシンボル」として活用します。
とんがり帽子は「円錐形」をしています。
この形はスピリチュアルな観点からみると、「エネルギーを集めて放出するために最適の形」をしています。
ピラミッドや日本の神社で見られる神籬もこのような「神聖幾何学的な要素が含まれている」わけです。

はたして古典的な魔女のとんがり帽子にそのような意味があったかどうかは定かではありませんが、現代の魔女は、「イメージでとんがり帽子を作ることによって、自らの内側に蓄えた自然のエネルギーを集中及び解放するという魔術」を使っているのです。

 

【現代の魔女は悪魔ではなく、自然の力を使う】

古典的な魔女は悪魔の力を利用していたといわれていますが、前述したように現代の魔女にとってエネルギーの源となるのは、「自然の力」となります。
もちろん、その力をチャージするための方法も色々と考えられています。

そのひとつがスピリチュアルな世界でも有名な「月光浴」。
「月の光を浴びることでそのエネルギーをチャージする」という方法です。
魔女は「月の女神を信仰する流派が多い」ために、月のエネルギーは非常に重要なものとなっているのです。

他にも、現代の魔女が自然のエネルギーを取り込むときに重要な要素として「スカイクラッド」というものもあります。
こちらは英語で「Skyclad」というように表記されます。
日本語に直すと「空を纏う」というような意味合いとなります。
空を纏うというと、自然のエネルギーを重要視する魔女らしい感じがありますが、実際には「全裸で儀式を行う」ことを指します。

 

【空を纏うスカイクラッドで自然の力を感じ取る】

「ウィッカ」という概念を提唱した「ジェラルド・ガードナー」に連なる結社やカヴンでは、基本的に儀式はスカイクラッドで行われていることもあり、「現代の魔女=スカイクラッド」というイメージすらあります。
ちなみに、余談ですがジェラルド・ガードナーは「男性ですが、魔女」です。
これは古典的な魔女と共通しますが、男性でも、魔女として参入儀式を行えば魔女と呼ばれるのです。

スカイクラッドは全裸になることで、「自然の霊力を敏感に感じるだけでなく、より動物に近い状態に戻り、世俗から超越する」というような意味合いが含まれており、とても真面目なものですが、そのヴィジュアルは、古典的な魔女が行っていた「サバト」と呼ばれる「悪魔が主催する乱交パーティをイメージさせる面」があるために、現代の魔女への偏見を生む一因となっている部分も否定しきれません。

 

【魔女の大釜で霊的なメッセージを受け取る】

他にも古典的な道具が現代の魔女によってリメイクされています。
例えば、魔女が妖しげな薬をかき混ぜる「大釜」は、「ハーブやオイルを調合する」という古典的な使い方に近いものから、水を張って水面を見つめることで、霊的なメッセージを受け取る「スクライング」という技法に使うこともあるのです。

今回紹介した技法は、どちらかというと近代西洋魔術的な影響が強い魔女が行う技法が多いのですが、スカイクラッドよりも、さらにプリミティブな「踊りや音楽といったシャーマニズム的な技法を重要視する魔女」も存在しています。

 

【ストーンヘンジに集まる魔女やシャーマン】

つい先日、イギリスの有名な遺跡である「ストーンヘンジ」に「5000人以上」の人が集まりました。
これは「冬至」という大切な日を、「ストーンヘンジというパワースポットで過ごしたい」と思った人が中心になっています。
スピリチュアルな世界でも冬至は重要な日であることが知られていますが、ストーンヘンジには「ドルイド教を現代でも信じている人や魔女なども集まって、歌や踊りで冬至の儀式を行った」とされています。

現代の魔女は自然や古代の女神との触れあいを中心としながら、「近代西洋魔術やシャーマニズム、時としてスピリチュアルな技法」すら取り入れながら、新しい道を模索し続けているのです。

What is a tool used by modern witches?
Energy work using classical tools.

 

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