KUSAKA SAVIOUR 新訳~日本神話~PART 8 蒼い龍少女との出会い 後編

みなさんこんにちわ! ともくんです! ついに先日から始まりました! トリニティ連載の新しいシリーズ 古事記や日本書紀などの日本神話のさまざまな謎や真相多くの知識を得てゆけるフィクション小説 「KUSAKA SAVIOUR 新訳~日本神話~」第8話をお送りしたいと思います。さまざまな古代の神話の物語が現代によみがえる…… (注※物語はフィクションです。登場する人物 場所は一部の場所を除き実在のそれとは一切関係ございません。物語としてデフォルメし対応させてわかりやすく描いてあるので続きを期待していてね♪)

日本神話の隠された事実を学べる連載小説!

~あらすじ~

昭和東京オリンピックの日、主人公ちい子は川のほとりの神社で謎の青い瞳の少女に出会う。
ちぃこの息子テルヒコが生まれ、学生時代より謎の夢に導かれるようになってゆく。
神話時代おこなわれていた天の岩戸開きは嘘だった。とつげる少女の導きのもと
照彦のいのちをかけた岩戸ごもりライフがスタートする。そんなおり、少女と少年は邂逅を果たす―!
すべてをすてた照彦は彼女の手をつかむ。「君の、名前は……セリナ

※原作 ともくん 小説のキャラクターデザイン※作画  トム/白ノ希望/あらら

――前編より続く――

「ここは、現実だよな?」とさっきの夢の意味が分からないまま
テントから自分が1キロ近く歩いていたことを知り愕然とする。
もしかしてあれ、夢じゃなかった? それとも今も夢?
単なる夢じゃ……そう聞こえてくると、途端に目の前がテントの天井であることを知る。
するとやはり目の前に、さっきの少女がいた。「ふふふ……楽しいね」
そういわれて、薄気味が悪くなってしまう。
“お前はおめおめ自宅に帰還できると思うなよ。”
「小僧、死ぬか生きるか、どうせ使い切る命なら神様に命を差し出したらどうじゃ。
わたしはすべて知ってるんだよ。この世の何も知らないことはない。だってわたしはおまえのすべてだから。」
親がいなくなっても、友達がいなくなっても、愛する仲間がいなくなっても、もし今後お前に愛する人ができても
その人が死んでも、全部が消えても、消えないものがあるの。見てる人がいるのよ。
「おまえは、誰かに守られてるってことだけは、忘れちゃいけないよ」
「そんな人いないよ」
テルヒコは即答した。
「結局みんな、消えて行ってしまうんだ……君もすぐに消えるだろう。そうだろう。もう、すべてわかってるんだ……」
「そんなら、そんならなあ」
「わしはおまえといっしょに住んじゃる……お前がこの山から帰りたくなるまで、一緒に暮らしちゃる。いや、暮らすぞ。」
「私がお嫁さんになる。」
そういうころには、少女の瞳がなぜか涙でいっぱいになっていた。テルヒコは自分が置かれている状況が理解できなかった。

 

幼き魂の集う場所

「ん? 冗談なんだろうけどちょっとまて、君はそもそも誰なんだ? 君は、ここの住人なのか?」
「なんだっていいじゃろ? しいていうなら、おまえの先生のようなもんよ。今日からそれでいいじゃろ?」
テルヒコの問いに何一つまともにその少女は答えない。
だが、自分は夢を見ているような、リアルすぎる異次元にでも来ているような気がしていた。
「あんたはこれで当分いっしょにいてくれるようじゃね」
とその少女ははっきりと姿を見せ、テルヒコの横で嬉しそうに寄り付いてきた。
「もっとちこうよれ。だれもみておらん」
いきなりの展開に、どう反応すりゃいいのかわからない。素直に喜ぶ気にもなれない
だって相手は異質な存在だから。ただでさえ人間不信のテルヒコに、よけい警戒しなければいけない存在が
一緒に住もうとか言ってくる。というか自分は、これでもここで生活のすべてをしていかなくちゃいけないのだ。
生活に必要なものを蓄えるためにはお金がいった。そのためにノートパソコンで
フリーライターのアルバイトを探すことができたので、雨風をしのげる洞窟を簡易的に改造し、テントを張り生活していたところだったのだ。
お金を振り込んでもらうときには山を下りよう。その時買い出しをして、ええと、あの滝つぼで朝は顔を洗って。
まるで山籠もりしている修行者さながらである。
この日までまさに一か月以上経過していたが、何とか生き延びることに成功している。
記事自体は、単価が高級なものを良い案件を提示する依頼者と出会えばいいし、長期契約を結んで仕事を頑張れば報酬はアルバイトと変わらない。
むしろ、どっかのコンビニで仕事をするより待遇が良いものが多かったので、そこは現実的にテルヒコのねらい目の仕事だった。
ただ、家畜労働させる依頼者に出会えば地獄であるので、見極めるように審美眼を磨かなければいけない。
ただ、水道代はいらないし、雨風しのげる場所もあるし、台風とかにならなければいいが、病気にならなければいいが……
現実的に考えて、自分がどれだけ馬鹿なのかは承知していた。
だが、それでもここでなければいけない気持ちがあった。あの変な夢をもう二度と見ないようになりたい
夢を見ても、その力を使いこなせなければいけない。そうおもっていた。
だがしかし、それ以上に強くなるこの力は、自分をむしばんでゆく、どこまでもついてくる呪いの体験。