【夏場の海でのタブー】
そろそろ夏も本格的になってきました。
海でのレジャーを心待ちにしている方も多いかもしれません。
そこで、今回は「夏場の海にまつわるタブー」を紹介しましょう。
海というのは、私たち人間を含めた「生命の源」であり、それだけに古来から多くの伝説を産み出し、また信仰を受けてきました。
科学によって多くの事が解明されるようになった現代でさえ、まだまだ海には未知の領域が多く存在しています。
そういう場所ですから、さまざまなスピリチュアルなタブーというものが、今でも伝えられています。最も有名なものとしては「お盆には海に入るな」というもの。
【お盆に海に入ってはいけないわけ】
これには、さまざまな理由があるとされています。
お盆の日には、あの世とこの世の境目が曖昧になることから、「供養して貰えない霊たちが水を求めて、海辺にやってきて、泳いでいる人間に悪さをする」というものがあります。
漁師たちの間では、お盆の夜に漁に出ると、そういった供養してもらえない霊が船にあつまってきて、ひしゃくを要求し、渡すとそれによって船を沈めてしまうので、底の空いたひしゃくを渡すという話が昔から伝わっています。このエピソードはとても有名なので聞いたことがあるという人もいるかもしれません。
また、沖縄などでは、「あの世は海の向こう側にある」と考えられていたために、先祖があの世とこの世を移動している時期に邪魔すると、その怒りを買ってしまうので、海に出ないようにするという説もあります。
【海のタブーには科学的な裏付けもあった】
その一方で、現実的な解釈も存在しています。
お盆の時期になると、「海水の温度が低下」してきて、それによって「心臓麻痺などを起こす可能性が高くなる」、また、「クラゲが多く発生する」時期になるので、クラゲは種類によっては強い毒をもっていることから、それによって被害を受ける可能性があがる、さらにこれぐらいの時期には「土用波」と呼ばれる高波がおこるので、それによって、流されてしまう可能性があるなどです。
どれもが納得のいくものですので、霊的な意味合いと、日常の生活で得た経験が混ざり合って、このような言い伝えが生まれたのでしょう。
ちなみに、現在、日本ではお盆というと、「7月15日」と「8月15日」、それから「旧盆」とよばれる8月末が地方によって入り乱れていますが、基本的にこれらのタブーは、旧盆をベースにしていると考えていいでしょう。
新暦の7月15日ならば、クラゲが発生することもなく、海水の温度もさがってはいないでしょう。また、本来のお盆のポイントとして、「満月」であるということがあげられますので、新暦の場合は、あまり気にしなくても大丈夫です。
【神秘的な日に行う海の瞑想】
しかし、旧盆の海が必ずしも怖い物かというと、そういうわけでもありません。
もちろん、前述したように物理的な危険はありますが、この日はある意味、「スピリチュアルな世界と日常が重なり合っている時期」ですので、「母なる海を通して瞑想をする」にはうってつけです。
瞑想でしたら、海に入る必要はありませんので、今回はある程度海辺から離れていても可能な、「海辺で出来る瞑想」を紹介しましょう。
海辺で行うリラックス瞑想
時間は「満潮のタイミング」を狙います。
満月の日は大潮となりますので、かなり海が岸まで近くなっているはずですので、近寄りすぎないように注意して、浜辺に腰を下ろします。
そうしたら、海に映っている満月を見つめます。
“波に揺れて形を変える満月……”
そして、その満月の光が海の向こうまで伸びているのを見つめましょう。
波にあわせて、光の道が揺れ動くのをリラックスして見つめます。
そうしているうちに、いつしかトランス状態に入っているはずです。
「旧盆の満月の力は特別」ですので、いつもよりも深く入っているかもしれません。
このとき、ご先祖様や、海の女神からのメッセージを受け取りましょう。
それは、普段受け取るものとは違ったものになっているはずです。
怖れをもたず、ただリラックスして、波の音、月の光、揺らめく光の道、それらにすべてをゆだねたときに、きっとメッセージは降りてくるはずです。
年に一度の貴重なチャンスですので、興味のある方は是非実践してみて下さいね。
Introducing the taboo of the sea.
Waves and the full moon meditation.