おにぎり、おむすび、おにぎらず、最も古いのはどれ?

食べる相手が喜んでくれることを願いながら作るという、基本的なことを行えばスピリチュアルな面でもOKですので、こだわりなく楽しくつくりましょう。

 

【おにぎりは魔除けの力がある】

その一方で、「おにぎり」は「鬼切り」に繋がるとして「魔除け」の力を持っているという説もあります。日本ではあまり知られていませんが、「お米に魔除けの力がある」というのは道教では常識であり、現在でも魔除けとしてお米をまいたりしていますので、中国の文化から影響を受けていた日本で、そのような価値観があったとしても不思議ではありません。

歴史的にいっても、元々は「にぎりめし」だったものが、「おにぎり」に変わり、さらに江戸時代頃に身分の高い女性が「おむすび」と言い換えたという説もあり。こちらの場合は、おにぎりの方が歴史が古いことになります。

 

【新たに産まれた第三勢力おにぎらず】

このように、どちらにも言い分があり、その決着は永遠につかないでしょうが、最近では「おにぎらず」という第三勢力が登場しました。こちらは『クッキングパパ』という漫画で15年以上前に発表されたものが、近年になってから再ブレイクしたもので、海苔の上にご飯を載せてから、海苔を折りたたむことで作るものであり、一般的なおにぎりと違って、手で握る必要がないことから、「衛生的であり見かけもオシャレ」としてブームになりました。

278192336

 

【おにぎらず批判から見る、おにぎりとおむすびの由来】

おにぎらずは、比較的新しいものであり、歴史がないこともあって、握っていない「おにぎらずは神事ではない」という意見も出てきています。おむすびは創造の力を取り込むもので、おにぎりは魔除けであり、どちらも別に結界ではない上に、前述したようにそもそもが名称、すなわち「言霊」の力が重要なものですので、握る握らないにはほとんど関係がないと思うのですが、このような意見が出てくるのをみると、おにぎりと、おむすび双方にスピリチュアルな意味づけが存在する理由も見えてきます。

おにぎりとおむすびのどちらが先に作られたのかは定かではありませんが、それぞれの説を支持する人たちが、色々な意味合いをつけていったのでしょう。東日本と西日本では呼び方が違うという説もありますので、「地域同士の抗争」があったのかもしれません。面白いのは、どちらも言霊的な意味合いをつけたことでしょう。このことから、日本人の文化として、「食とスピリチュアリティが深く結びついていた」ことがわかります。そういった意味では「おにぎらず」は「鬼切らず=鬼を切らない」になってしまうので、確かにあまりいいネーミングではないかもしれません。

とはいっても、そもそも、日本人にとってお米は重要な食べ物ですし、食べるという行為自体が重要ですので、起源や名前にこだわらず、「自分たちが楽しく美味しく食べられるものを作り、自分の身体が求めるものを素直に食べるのが、肉体的にも精神的にもベスト」です。あとは、食べる相手が喜んでくれることを願いながら作るという、基本的なことを行えばスピリチュアルな面でもOKですので、こだわりなく楽しくつくりましょう。

The origin of the rice ball.
Rice ball controversy.

 

《ベーターくん さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/betar/?c=78809