ことわざに秘められた叡智〜祝詞でもあり呪文でもあり、優れた人をつくりだす

今回紹介したのは、ほんのごく一部ですが、ことわざに叡智が秘められているのが良くわかると思いますので、興味を持たれた方は、久しぶりにいろはかるたなどに興じてみるのもいいかもしれません。

【優れた人をつくりだすことわざ】

「ことわざ」とは、古来から伝わる「知恵や教訓を短い言葉であらわした」もの。子供の頃「いろはかるた」などで誰もが一度は触れたことがある「日本の文化」です。それだけに、日本人ならば、誰もがひとつはことわざを知っていることでしょう。

しかしながら、なぜ「ことわざ」という名称なのかはあまり知られていません。その語源は「言業」だといわれています。「言」葉による「業」、すなわち、「言葉によって何かを成し遂げる」という意味です。たんに知恵や教訓を伝えるだけでなく、それによって「人をより良い方向へ導き、行動を起こさせる」ものが「ことわざ」なのです。

これは、ことわざを漢字にした「諺」という文字の成り立ちからも伝わってきます。この字は言葉の「言」と、「彦」という字が結びついたものですが、「彦」には「優れた人」という意味があります。つまり、「言葉によって優れた人を作り出す」というわけです。

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【祝詞であり呪文でもあったことわざ】

人をよりよくして、良い方向へと導く「ことわざ」ですが、そもそもの起源は「唱え言」だったともいわれています。こちらは「目に見えない神霊にたいして加護をもとめて発せられる言葉」であり、すなわち、「祝詞」「呪文」ということになります。そんなスピリチュアルな起源を持っているわけですから、ことわざの中には、単に教訓を伝えるだけでなく、「霊的な意味合いを持ったもの」も存在しています。最も有名なものとしては「笑う門には福来たる」でしょう。

このことわざは、「家族や一族全員がみんな楽しく笑顔で過ごしていれば福が舞い込む」という意味ですが、笑顔、すなわち「笑いの波動がネガティブなエネルギーを祓い、それによって場を浄め、幸せを招く」ということは良く知られています。また、笑いによって強力な鎮痛作用を持ち、多幸感をもたすことから「脳内麻薬」などとも呼ばれることのある、「エンドルフィン」という脳内物質の分泌量が増加することが「科学的に証明」されています。ちなみに、この笑いによるエンドルフィンの分泌は、「一人で笑う時よりも多くの人と笑う方」が量が多くなるということも、イギリスの「オックスフォード大学の研究」で明らかとなっているのです。

ちなみに、このようにことわざが科学的に実証されるというケースは他にもあります。日本ではなく、ヨーロッパに古くから伝わることわざで「1日1個のりんごは医者を遠ざける」というものがあります。これは、言葉通り、りんごを毎日食べることを進めたものですが、フィンランドで「25年間」にわたって、りんごの摂取に関する調査が行われ、その結果、肺がんを予防する効果が高いことがわかりました。この研究によると、なんと「58%もリスクが低下」し、他のがんにたいしても「17%のリスク軽減効果」があるというのです。

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【ことわざに注意して古来からの叡智を受け取る】

ことわざの数はまさに膨大ですが、これまで紹介してきたように、その中には非常に多くの「叡智が秘められている」ものです。前述の笑う門には福来たるのように、その中にスピリチュアルな知恵がこめられたものとしては、「運気は根気」「思い立ったが吉」、「合縁奇縁」などがあります。

「運気は根気」は、運を操る指針であり、運を得るためにはじっくりと腰を据えて待つ必要があるというものであり、「思い立ったが吉日」は、暦にだけ頼らずに、自分の想いに従うことが、時には運気を引き入れるというような意味合いがあります。「合縁奇縁」はちょっと趣がかわりますが、男女の縁は不思議なめぐりあわせが重要である、すなわち「ソウルメイト」のように引き合うことが大切というような意味となっています。

今回紹介したのは、ほんのごく一部ですが、ことわざに叡智が秘められているのが良くわかると思いますので、興味を持たれた方は、久しぶりにいろはかるたなどに興じてみるのもいいかもしれません。

【参考サイト】
笑門来福7 東洋医学研究所Rグループ  みずの鍼灸療院 院長  水野 高広(東洋医学研究所)
http://www.touyouigaku.org/blog/2013/05/7-525810.html

りんごと健康 (独)果樹研究所 田中敬一先生の講演から(木村りんご園)
http://www.jomon.ne.jp/~kimura/kenkou.htm