日本中に奇跡の泉を湧かせた人物

空海が「超人的な力を持っていた」というエピソードが多いこともありますが、中国で「高度な測量や土木の能力」を学んでおり、「水脈や鉱脈などを見つける技術があった」のではないかといわれています。

【日本にも多くある奇跡の泉】

奇跡の泉といえば、フランスにある「ルルドの泉」が有名です。ルルドの泉は、「聖母マリア」が出現して、「泉の場所を教えた」という逸話があり、多くの奇跡的な癒やしをもたらしたことで知られていますが、似たようなエピソードがある泉は日本にも存在しています。

それも、ルルドのように単一の場所ではなく、北海道と沖縄を除く、「ほぼ日本全土で霊水がわき出している」のです。これは、日本が比較的水資源が豊富ということもありますが、とある人物が関係しているのが原因です。なんと、日本中にある霊水のほぼ「9割以上、1400ヶ所」を発見もしくは、出現させたとされています。

 

【弘法大師空海と霊水の関係とは?】

「霊水の第一人者」ともいえるその人物とは「弘法大師空海」。真言宗の開祖であり、「日本の仏教史上に残る有名人」です。空海は基本的に高野山がある四国や、当時の都があった京都など近畿を中心に活動していたのですが、空海が関わったとされる霊水は前述のように、日本全国に広がっています。さらに、その種類としても「病気を治すという霊水だけでなく、字がうまくなる水や、温泉など多種多様に及んでいるの」です。

そんな霊水と空海にまつわるエピソードをいくつか紹介しましょう。
東京の「清水稲荷」にわき出している病を治す霊水は、病気の子供をもった親に懇願された空海が法具である、「独鈷杵」を地面に突き刺したところ、霊水がわいてきたといわれています。

長野県には、空海が書を記そうとした時に、近くに墨をするための水がなかったために、杖で地面をつくと水が湧いてきて、それで墨をすったことから、「硯水」と呼ばれる霊水が存在しています。「硯水」は各地に存在しており、茨城県にも空海が使ったとされている硯水が存在しています。空海は「書の達人」であったことから、これらの「わき水を使うと、字が上達する」といわれています。

また、より大規模なものとしては、和歌山県の龍神温泉をはじめとして、熊本県の杖立温泉や、群馬県の法師温泉など、全国各地で「空海が発見したという伝説がある温泉」も多くあるのです。

 

【霊水を見つけられた秘密】

なぜ、これだけさまざまな逸話が残っているのか?
空海が「超人的な力を持っていた」というエピソードが多いこともありますが、中国で「高度な測量や土木の能力」を学んでおり、「水脈や鉱脈などを見つける技術があった」のではないかといわれています。

その技法を受け継いだ「高野聖」と呼ばれる人たちが、全国各地で布教を続けた時に、空海と同じように水脈を発見したことで、全国各地で空海由来といわれる霊水ができたわけです。

 

【弘法水は特別な水】

とはいうものの、そういった理屈だけでは説明しきれないことも残っています。全国各地にある空海由来の霊水である「弘法水」の水質を調査した研究によると、「変わった水質を持った水が多い」ことがわかっています。

ルルドの泉には、水素が豊富に含まれているなどといわれていますが、弘法水は「硝酸濃度が高いもの」や、「ゲルマニウム」が含まれているものなどもありました。これらは、眼病に効く霊水としてしられており、実際に科学的にも納得のいく成分です。

空海は、これらの変わった性質の水をどうやって見つけることができたのか? たんに水脈を探す技術をもっていたというだけでは、なかなか説明することが難しいのです。もしかしたら、さまざまな逸話と同じように、「スピリチュアルな力、卓越した直感」によって人の身体にとって有益なものを見つけるという力が空海にはあったのかもしれません。

冒頭に記載したように、北海道と沖縄以外には、弘法水は存在していますので、興味のあるかたは、お近くの弘法水が沸いている場所を探してみてはいかがでしょう? 興味深い発見があるかもしれませんよ。

 

The person who discovered the miraculous water to Japan.
Spiritual power with “koubou water”.

 

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