西洋でも東洋でも。なぜか暦に結びつく卵が持つ秘密~その不思議理論とは?

実際のところ、バランスをしっかりと取れば卵を立てることは、さほど難しいものではなく、これらの節目の暦に卵が立ったというのは、特別な日というエネルギーを体感している人間自体に意味があるといえるのかもしれません。

【生命や復活、豊穣の象徴である卵】

私たちは「卵」と聞くと、一般的に鶏が産んだ「鶏卵」をイメージします。卵を産む動物は多く、鶏を含めた鳥類はもちろん、は虫類や魚類、さらに昆虫なども卵を産みます。私たち人間とは異なった生命の誕生方法ですので、卵には、人間にとって「神秘的なイメージ」がありました。このために、古来から「生命や復活、豊穣」などの象徴として捉えられていました。単なる生命の原型としてだけでなく、宇宙自体が卵に内包されていたという「宇宙卵」などという思想もありましたし、特別な人物である英雄は卵から生まれたなどという伝説も残っているのです。

 

【復活と豊穣のお祭りイースター】

このような影響を強く受けている行事としては、4月に行われる「イースター(復活祭)」があります。名前の通り、現在ではイエス・キリストの復活を祝うものですが、実際にはキリスト教以前から行われていたお祭りでした。これは、「イースター」という言葉に、本来「復活」という意味が含まれていないことからもわかります。

また、キリスト教の祭日は基本的に太陽暦を採用することが多いのですが、イースターは「春分の日の後に訪れる最初の満月の次の日曜日」に行われると規定されています。これは、古来の日本と同じように「太陰暦」を採用していた文化が行っていたお祭りということに他なりません。

春分、そして満月という要素を考えると「春がもたらす生命や豊穣」を祝う為に行われるイースターですが、このときに卵が登場します。その「イースターエッグ」とは現在でも、イースターにつきものの、カラフルな色を塗った卵ですが、こちらは前述のような生命や豊穣といった力を取り入れるために使われていたといわれています。

173985689

 

【縁起のいい大寒卵】

これは西洋の例ですが、卵は東洋でも不思議と「暦」と結びつけられてきました。有名なところでは、「大寒」の日に産まれた卵は「縁起物」。というものがあります。1月20日前後の大寒の日にうまれた卵は、「滋養に富んでいる」とされ珍重されるのです。また、鶏が卵を新年ではじめて産み始める時期ということから、「鶏のエネルギーがもっとも込められている」とされ、「金運などの幸運も呼んでくれる」とも考えられました。このことから、最近では卵だけでなく、この卵を使ったスイーツなども発売され、限定品ということもあり人気となっています。

 

【季節の節目で卵が立つ】

また、中国ではちょっと変わった卵に関する言い伝えも存在しています。それは、「立春」「春分」「秋分」といった節目には、「卵が立つ」というもの。基本的に、前述したように卵には生命や豊穣などの要素がありますので、春と関連づけられるのは理解が出来ます。立春は新しい年のはじめであり、エネルギーが動き始めるということで、ある意味イースターに近いものですし、春分は世界的に重要視される暦です。

でも、なぜこの日に卵が立つのでしょうか? 基本的に卵が立つというのは、「コロンブスの卵」のエピソードでもわかるように、「不可能の代名詞」として使われていました。季節の変わり目には、そんな不可能が可能になると古来の中国の人々は考えていたのかもしれません。

しかしながら、実際のところ、暦によって卵が立つということに根拠はなく、それに根拠を求めた結果、春分や秋分といった「昼と夜の長さが同じ時には重力のバランスが良い為、卵が立つ」という一見すると納得できるような不思議理論が生まれて、本来の卵が持つイメージとはかけ離れた秋分までが対象になっています。一説によると、5月5日の端午の節句や夏至にも立つということで、現在では意味のある暦の日ならなんでもいいような感じすら出てきています。

実際のところ、バランスをしっかりと取れば卵を立てることは、さほど難しいものではなく、これらの節目の暦に卵が立ったというのは、特別な日というエネルギーを体感している人間自体に意味があるといえるのかもしれません。

56520961

 

【これから春へと向けて卵を食べることで生命力を取り込む】

卵は栄養価の高い食物であり、スピリチュアルな要素を除いたとしても私たちにとって有用なものですが、大寒や立春を過ぎ、春分へと向かう今の時期は、「生命力や豊穣、復活といった卵が持つスピリチュアルなパワーを取り込むには最適の時期」といえますので、食事の中に卵を積極的に取り込み、自らの生命力をしっかりとアップさせてみませんか?

Eggs to symbolize the life and fertility.
Connection of the egg and the calendar.

 

《ベーターくん さんの記事一覧はコチラ》