上品で美しい「ハワイアン・ジュエリー」に秘められた その歴史とスピリチュアル・パワーとは?

ハワイに観光などで出かけたことがある人なら、「ハワイアン・ジュエリー」を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか? 現在ではファッションとして身につけることがほとんどですが、そのハワイアン・ジュエリーには、実は秘められた歴史やスピリチュアルなパワーが存在していたのです。

ハワイアン・ジュエリーの正式名は「ハワイアン・エアルーム・ジュエリー」と呼ばれています。
それは「家族代々受け継がれた宝」という意味があるのです。

その名前の通り、ハワイでは通常は祖母から母へ、母から娘へと代々受け継がれて大切にされている家宝なのです。

金及び銀に、ひとつひとつ手彫りでデザインを施し、心をこめて作られるハワイアン・ジュエリーには、本来はひとつひとつ違った意味や願いがこめられているのです。
それは愛情の印であるだけではなく、ときにはお守りとしても重宝がられてきました。

ハワイアン・ジュエリーとしてよく目にするのは、リング、ペンダントトップ、ブレスレットですが、結婚指輪としてもこのハワイアン・ジュエリーはとても人気があるアイテムです。

 

ハワイアン・ジュエリーの歴史

ハワイアン・ジュエリーは、いくつかの説が存在しているようですが、ハワイ王朝を代表するジュエリーとされています。しかしこのハワイアン・ジュエリーはイギリス王室にも関係の深いジュエリーだったのです。

イギリス王室のヴィクトリア女王から、1887年に行われた彼女の在位50周年の祝典に出席するように招かれたハワイ王朝のカラカウア王は、自分が行く代わりに、妻のカピオラニ王女と妹のリリウオカラニ女王を出席させました。

1861年に夫に先立たれたヴィクトリア女王は、1901年に自身が亡くなるまで、夫の死を悼んで喪服を着て、黒いアクセサリーを身につけていました。そして彼女のブレスレットに亡き夫のアルバートという名前が黒いエナメルで刻みこまれているのを見たリリウオカラニ女王は、それに感動したのでした。

そしてヴィクトリア女王からそのブレスレットを贈られたリリウオカラニ女王は、ハワイに戻った後に、金のブレスレットに黒いエナメルを使って「永遠の思い出」に当たるハワイ語「Hoomanao Mau」と彫ったものを作らせ、それが現在のハワイアン・ジュエリーの始まりとされています。

その後、ハワイのイオラニ宮殿で開かれた舞踏会を手伝ってくれた女性の先生に、リリウオカラニ女王が感謝の気持ちをこめて「アロハオエ」と黒いエナメルで刻まれた金のブレスレットをプレゼントしたのでした。それを見た生徒たちの間でも、このハワイアン・ジュエリーが流行しはじめたのです。

 

ハワイアン・ジュエリーに込められた神秘

ハワイアン・ジュエリーは、通常誕生日、結婚式、卒業記念など、人生の区切りに家族や愛する人たちから贈られることが多い品です。

その多くはハワイの自然をモチーフにしたデザインが使用されていますが、これは大地のパワーや自然の霊をジュエリーに込めて作ることで、それを身につける人や、もらった人に幸せをもたらしてくれたり、災いから身を守るというお守りの意味もあるのです。

ハワイアン・ジュエリーのモチーフに使うデザインは、その家の守り神であるとされる動物であったり、あるいは神聖とされる植物などを使うことが多いのです。

 

人気のあるデザインの意味は?

現在は、エナメルで彫刻されたものだけではなく、エナメルを入れない彫り物だけのハワイアン・ジュエリーも人気があります。また女性だけでなく、男性もリングやペンダントを身につけています。

昔から守り神として人気があるのが亀「ホヌ」の彫刻を施したもので、「厄除け」と考えられています。また、鯨の尾は「開運」をもたらしてくれ、植物の葉であるマイレは「神聖」「縁結び」を意味しています。

最近では、甘い香りがする白い花は恋愛運をアップするということで、プルメリアも人気があります。プルメリアにはこのほか「完成」や「新しい出発」などの意味もこめられています。

ハワイ州の花でもあるハイビスカスは、「繊細な美しさ」を表し、パイナップルは「金運」や「商売繁盛」につながるデザインとして男性にも好まれています。

ハワイのお土産屋さんに売っている既成のハワイアン・ジュエリーではなく、ひとつひとつ手作りで彫金され、スピリチュアルな意味のこもった一品をぜひ身につけてみたいものですね。

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