神々は虹と波に乗って出雲に降り立つ!?全国の神々を海より導く神使☆龍蛇神1

神々と人々が交わる夜、それが神迎祭なのでしょう。

11月9日、全国の神々をお迎えする神迎祭が執り行われました
今回はその神迎祭のレポートを皆様へとお届けしたいと思います。

写真はその神迎祭の夕方5時くらいの出雲大社二の鳥居です。
神迎祭は午後7時からですが、大勢の参拝者が出雲大社へと参拝し、そして、稲佐の浜へと向かって歩いていましたよ。

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こちらが稲佐の浜の様子です。
先程の出雲大社よりさらに大勢の参拝者が神事の執り行われる斎場の周囲にて待機していました。

稲佐の浜は八束水臣津神が国引きをして引っ張ってきた現在の島根半島を止める西側の綱である多芸志の小浜(たぎしのこはま)の一部で、そしてその綱を止める杭の島根県最高峰・三瓶山が見渡せます。

 

お忌み荒れと龍蛇神

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昨年に続き、今年の神迎祭も穏やかな天気でしたが、例年なら通称お忌み荒れという日本海から強風が吹き荒ぶ天候になるのです。

実はこの日の前日が大嵐で神迎祭の朝まで続き、3~4メートルの荒波、風もビュービューと吹き荒び、これはものすごく寒い神迎祭なんだろうなと思ったのですが、神迎祭の時間が近づくにつれ、穏やかな天候へと変わっていったのです。

このお忌み荒れで稲佐の浜に打ち上げられるのが、暖流に乗って回遊してきた背が黒く、腹が黄色い背黒海蛇(せぐろうみへび)という毒蛇です。この背黒海蛇の尾には亀甲紋様があり、これが亀甲紋の原型とされているのです。
その尾の紋様もさることながら、背黒海蛇の顔が蛇というよりは龍に似ていることも驚きの一つです。

お忌み荒れは時折晴れ間も覗き、その時には虹が出ます。
その虹は神渡りの虹と呼ばれ、神々は虹の架け橋を渡って出雲へとお越しになるとも言われています。
そして、虹は龍の化身。虹は鮮やかに空にかかる主虹と淡くてなかなか見えませんが副虹がセットで出現し、まるで雌雄の龍が仲良く並んで出現しているかのようです。

空や山からは虹の龍に乗って、そして海からは背黒海蛇という龍に乗って神々は出雲へといらっしゃるのです。
その為、背黒海蛇は神々が出雲へと到着した事を知らせる、大国主大神の神使・龍蛇神と呼ばれているのです。

 

龍蛇神が導く神迎祭

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神迎祭の時間が近づいてきました。
写真はフラッシュをたいての撮影禁止ですので、薄らぼやけたもので申し訳ないのですが、その方が神職の方々の神事前の凛とした氣、そして神秘さを伝えられると思いこちらを使用しました。

去年は早めに行って稲佐の浜でその神事を拝見しましたが、今年は御幣を受け取った神々が稲佐の浜から出雲大社へとお向かいになる浜の出口付近で待機していました。
神事が終わると、一瞬辺りが静寂に包まれ、神々の気配が濃厚となります。そして、神職の「うぉー」という警蹕(けいひつ)が暗闇の中に響き渡り、神々が出雲へとお越しになられた事を伝えます。

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龍蛇神を先頭に、二本の神籬に降りられた八百万の神々が稲佐の浜よりいらっしゃいました。

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絹垣の内のその御神氣の強さは、ギュッと凝縮された小宇宙があるといった感じです。

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そして、その小宇宙から零れ落ちる綺羅星の様な輝き、神籬に続くように連なり神迎の道を歩まれる神々の御姿……。

今でこそ、神迎祭はこうして参拝者も後方に控えながらご一緒できますが、昔は禁止されていたのです。
神迎の道の通りの家々は灯さず、酒も歌も禁止、神々が神議りする期間、ひっそりと過ごして神々の縁結びの相談を邪魔しない様に過ごしていたそうです。

八百万の神々の御姿と、絹垣を追って歩く人々。人の中にある神の御分霊もまた輝き、蛍火の様にお互い光をぽわんぽわんと照らして会話を交わし、久々に会えた喜びを分かち合っているかのようでした。

神々と人々が交わる夜、それが神迎祭なのでしょう。

そんな神迎祭、この神迎の道を歩いた先、大国主大神がお待ちになる出雲大社神楽殿にてこれまた言葉にできないほどの素晴らしい神事の様子を幸運にも拝見できましたので、次回はそちらをレポートにまとめて皆様にご報告いたしますね。

お楽しみに~♪

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