【江ノ島と五頭竜】八大龍王と富士山をつなぐ地下通路の竜穴があった!

江ノ島にある岩屋の第一洞窟は、富士山に近い鳴沢氷穴までつながっていると言います。 鳴沢氷穴は富士五湖観光スポットの一つで、864年の富士山噴火の際にできた洞穴だそうです。

宗像三女神は三位一体と言われて、一人ひとりの個性はあまり知られていません。
けれども、古伝だけでなく、神社社伝や民話にのこる姫たちの残り香が、私たちの心をとらえます。

イチキシマヒメが、夫になるイブキドヌシと出逢ったのは、恐らくは筑紫に於いてであったのでしょう。
子を産んで2年後、世の中はますます騒然としてきました。
夫のイブキドヌシはヒメに別れを告げ慌ただしく出陣します。

二番目の姉、タギツヒメ「夜の食国(とおすくに)」四国を治める叔父のツキヨミに呼ばれて、その息子であるイブキドヌシに護衛されながら四国へと出発したのではないでしょうか。
なぜならば、四国の瀬戸内海側のいくつかの神社に、タギツヒメの足跡が残されているからです。

そして、その後突如、天女として相模江ノ島に降り立ち、有名な“江島縁起”となっています。

 

江島縁起、五頭龍が恋した天女とは?

天変地異を引き起こすともいわれる五頭龍は、鎌倉の深沢に大きな湖に棲みついて、この土地を荒らしておりました。
16人の子どもを次々と食らい村人を恐怖に陥れていました。
欽明天皇13年(522年)に大地震が起きたときの事。
10日の間続いた揺れがピタッと収まったかと思うと、海底から大爆発がおきて火柱が立つとともに、一夜にして現れた島が江ノ島だということです。

この時、紫色の雲に乗り天から現れた美しいヒメに、五頭龍は一目ぼれしてしまいました。
結婚を願うが、悪さをする竜とは結婚できないとヒメは断ります。
五頭龍はしおらしくヒメの言いつけを守り、村人が台風や津波で困らないように、身を削って守りました。
そのため衰弱した竜は最後には小さな山となって土地を鎮護したそうです。
これが竜口神社です。

このヒメの正体はというと、富士山ろくを治めていたカクヤマツミの妻となったタギツヒメです。

 

富士山パワーを取り込もうとした姫

タギツヒメのあるところ、海辺ではあるのですが、険しい山のような場所が多い気がします。
その名が示すように、険しい山から勢いよく流れ落ちる“滝”をイメージします。

海神(わたつみ)は三女神の後ろ盾ですが、タギリヒメはさらに山祇(やまつみ)の力をも引き入れようとした様子が見られます。

カクヤマツミという神は、セオリツヒメホノコの甥にあたります。
そして姪にコノハナサクヤヒメがいます。
山祇の家系は、代々富士山麓を治める神なのでした。

江ノ島にある岩屋の第一洞窟は、富士山に近い鳴沢氷穴までつながっていると言います。
鳴沢氷穴は富士五湖観光スポットの一つで、864年の富士山噴火の際にできた洞穴だそうです。
最深部は地下21mにある「地獄穴」です。

看板に「この穴は竪穴で一度足場を失うものなら二度と帰ることができない危険な穴です。
伝説によりますと、江ノ島の洞穴まで続いていると言われております」とあります。

江ノ島と富士山は、繋がっているんですね。

 

天下取りの江ノ島参籠

また、太平記に記される伝説として、時の政権北条氏が江ノ島を参籠し子孫繁栄を祈ったところ、緋袴(ひばかま)の女性が現れ「前世の善行により末永く日本のヌシとなる」と言って大蛇となって海に消えたと伝わります。
大蛇とはタギツヒメの本体なのでしょうか。

日本全域を守る海神と日本一の山神の連絡係をするタギツヒメの存在が見えてきました。
それは天下とる(日本のヌシとなる)ことにも通じています。
江ノ島はそのようなパワースポットなのです。

イチキシマヒメに感じられた美は、神とその表れである子どもを、慈しみ育てる母のような忍耐強さがベースにあると思います。タギツヒメはどうでしょうか。

筋を通し、魂を鍛える厳しさの中から無駄なぜい肉が削ぎ落され、美しさが磨き上げられる。
“筋肉美人”がタギツヒメのイメージです。
大蛇のようにうなりをあげる激しい滝の気質を持ち合わせている女神さまです。

実は姉のタゴリヒメにも大蛇の伝説が遺っています。
三女神にまとわりつく「大蛇」とは一体なになのでしょうか。

 

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