こんにちは鍼灸師のSUMIYOです。
最近、感情をテーマにした映画やお話が増えてきましたが、感情と向き合うことをたくさんの方が大切に感じているようで嬉しいです。
今回のテーマは“悲しみと向き合う”です。
一度できた悲しみはなかなか癒されず、時には数十年など長い間私たちの心にとどまり苦しめ続けることもあります。
今は悲しみなんて感じていないという方も、もしかするとその心の奥には深い悲しみが隠れているかもしれません。
今回は悲しみについてお話していきますので、一緒に今ある悲しみを癒していきましょう。
中医学では、「悲しめばすなわち気消す(悲即気消)」と云われていて、悲しみは私たちの生命エネルギーである気を消耗させてしまいます。
悲しみが強く、そして長く続けば続くほど、元気がなくなっていき体力まで奪われてしまいます。
悲しみ続けると、どんどん声が小さくなっていき、動くとすぐに疲れて、やる気がなくなり、頭がボーッとして、呼吸も浅くなっていきます。
中には声が出なくなる方もいらっしゃいます。
こんなに辛い悲しみなんて必要ないように感じますが、実は悲しみも大切な感情の一つです。
悲しみというのは、中医学では金の特性があります。
金の特性というのは金属のように変化し堅固で鋭く清く輝くこと。
金属がもともとは堅固たるものですが、熱によって溶けたり、冷やすと縮まるなど形を変化します。そして磨くと輝きキレイになることから清潔さを表します。
つまり悲しみは私たちを今よりも強く頑丈にし、変化を起こし、キレイに輝かせるためにあるのです。
悲しみのない毎日は幸せでありがたいことですが、そうすると人はその状況から離れることも変化することもしなくなります。
悲しみは別れや拒絶、否定や孤独感など辛い経験を伴いますが、その悲しみを乗り越えるために自分を強くし、変化を起こし、そして自分を輝かせてくれます。
悲しみは季節でいうと収穫の秋と関係し,
1日でいうと輝く夕日が沈む日の入りを表します。
つまり何かが一つ完了したときに訪れるのが悲しみです。
今まであなたが頑張ってきたことや成長し、開花してきたことが完結する時が来た合図かもしれません。
沈む夕日を見ながら今までの自分を振り返り、自分の得てきたことや頑張ったこと、楽しかったことを思い出し感謝することも大切ですし、またしっかりと今までの経験をバサッと切って収穫してしまうことも大切です。
その悲しみはあなたに必要だったから訪れたのです。
その悲しみをどうか無駄にしないためにも、ぜひ変化を起こし、自分を強く、そして磨いて輝いて下さい。
そうはいっても、悲しみは募るばかりで乗り越えることなどできないと思っている方も多いと思います。
内臓機能でいうと肺と関係しています。
肺を強めるために一番良いことは、云わずと知れている『呼吸法』です。
呼吸は天からの気を体の中に取り入れると云われています。この天からの気とは前回の喜びのお話でも出てきましたが、陽気といって、活発で、上昇し、元気を与え、外へと向くプラスの力です。
陽気を高めるには前回同様に太陽を浴びることも良いですが、悲しみに関係する肺に働きかけるためには、呼吸法が一番です。
胸から大きく息を吸い、吐く時には悲しみが体の外へと出ていくイメージをしながらゆっくりとした呼吸法をしていきましょう。
毎日することで、少しずつ悲しみも癒えてくることでしょう。
そしてその悲しみが癒えた先には、あなた自身が今よりも強くて頑丈な金のようにキラキラと輝く存在になっていることを信じていて下さい。
天・地・人の恵みに感謝を込めて 鍼灸師SUMIYO
》前回の記事《 喜びと向き合う~スピリチュアル中医学~