あなたの住んでいる町の「石」をご存じですか? 意外と知らない石に意味がつけられる理由とは?

世界中に無数にあるからこそ自由に制定できるのも、石の魅力といえますので、自分オリジナルで何か石を制定してみるのも面白いのではないでしょうか?

【世界には無数の石が存在する】

世界には無数の石が存在しています。「何千万円もする高価な宝石」や、「スピリチュアルなパワーが秘められているという貴石」、大きな区切りでいえば「太古の生物の死骸である化石」も入るでしょう。もちろん、道ばたに落ちているような「何の変哲もない石」も、詳しく分析すればなんらかの名前がついています。

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【誕生石はどのようにして決まった?】

そんな石を選ぶ目安にも様々なものがありますが、特に石に興味がないという人でも知っている目安としては「誕生石」があります。誕生石とは、文字通り、「その人が生まれた月に各種宝石が当てはめられているもの」です。恋人にプレゼントを贈ったりするときの目安として使ったことがあるという方もいることでしょう。

しかしながら、この誕生石がどのような理由で決められたのかは意外と知られていません。そもそもの誕生石の由来というのは、『旧約聖書』に出てくる12種類の石であり、それらを身につけることで、「守護され幸運が訪れる」という発想だったといわれていますが、制定したのは「宝石商」です。

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【宝石やパワーストーンの販促としての石】

現在日本で一般的に知られている誕生石は「1912年にアメリカの宝石小売商組合が定めたもの」がベースとなっており、日本では「1958年に全国宝石商組合が定めたもの」が使われています。つまり、実際のところは「販促のために考え出されたもの」です。バレンタインデーと同じように、旧約聖書云々はかなりこじつけ感が強いものといえるでしょう。

ちなみに、日本らしいものとしては「干支石」というものもあります。こちらは文字通り、十二支に石を配置したものですが、誕生石が基本的に宝石をベースにしていたのに比べると、「守護石はパワーストーンと呼ばれる貴石」であり、サブストーンに比較的高価な宝石が配置されるという内容になっていることから、宝石商ではなく、「パワーストーン販売業者が制定したもの」なのでしょう。

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【歴史ある学会が本気で制定した「県の石」】

このように、石を何かに関連づけるというのは、比較的自由に出来るのですが、2016年5月10日に「日本地質学会」が「県の石」というものを選定しました。日本地質学会は、「1893年に創立された歴史のある学会」であり、研究者をはじめとして、4500人以上の人が所属しています。そんな学会が2018年に創立125周年の記念事業として、はじめたのが「県の石」制定だったわけです。

2014年8月からスタートしたこの試みは、各都道府県に「県の石」が制定されているものがほとんどなかったことから本格的にはじめられ、1年近くかけて、「各都道府県に特徴的に産出する石や鉱物、化石」などが選ばれました。前述した誕生石や干支石などと違って商業的な要素が入っていないために、かなりマニアックなチョイスとなっています。

 

【バリエーションに富む県の石】

例えば東京都の岩石は「無人岩」。こちらは、東京といっても、世界遺産である「小笠原諸島」で産出するものです。同じく鉱物も小笠原で産出する「単斜エンスタタイト」ということで、かなり小笠原諸島頼みになっています。その一方で、パワーストーンとして知られている鉱物が選ばれるケースもあります。長野県の岩石は「黒曜石」ですし、滋賀県の鉱物は「トパーズ」となっています。

比較的マニアックなために、東京のように名前を聞いたことがないものが多いのですが、基本的にその地方で産出されるものが選ばれているために、一覧を眺めていると思わぬ地域でメジャーな鉱物が産出していたことがわかって、石やパワーストーン好きの人には楽しめると思いますので、興味のある方は参考サイトをご覧になってください。

世界中に無数にあるからこそ自由に制定できるのも、石の魅力といえますので、自分オリジナルで何か石を制定してみるのも面白いのではないでしょうか?

【参考サイト】
「県の石」一覧(日本地質学会)
http://www.geosociety.jp/name/content0144.html

Birthstone of the secret.
Stone of the prefecture is enacted.

 

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