脚光を浴びつつある盆石 その起源は仙界へと旅立つ門だった

盆石というのは、まさに自分の心を表現するものですから、そこに意識を投影することで、「自分の内面世界へと旅することが可能」となるのです。

現代まで伝わっている護符に「五岳真形図」というものがあります。こちらは、中国の「霊峰である5つの山を図形化したもの」なのですが、山の形を図形化するだけでも「富を呼んだり、邪を祓ったり、寿命を延ばしたりする」という霊的な力があると考えられていたのです。それを立体化したものが、石庭というわけです。

中国の石庭は「奇妙な姿をした石を庭に設置する」のが基本でした、なぜなら「奇妙な形をしている石は、仙界に繋がっている」と考えられたからです。ただの石に家が建つぐらいのお金が払われることもあったというほどです。そこまでして、石を手に入れるのは、「仙界を庭に具現化させることで、そこと繋がろう」としたからにほかなりません。そこから、さらに発展したのが盆景です。

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【凝縮することで霊力がより強くなる】

呼び方は違いますが、基本的には盆石と同じであり、ミニチュアの庭である盆景を造り、そこに仙界をあらすことによって、「自ずから霊力が宿る」と考えました。『考般余事』という今から600年ほど前に書かれた本には、「盆景には邪気を追い払う力がある」という記述があります。また、俗世に降りてきていた仙人が「石庭や、盆景を通って仙界に帰った」という伝説は多く残されており、このような思想がとても一般的だったことがわかります。

 

【二次元的な西洋の異界への飛翔】

西洋では盆石は使いませんが、「タロットカードに描かれた象徴を道しるべ」として、別の次元へと精神を飛翔させる「パスワーキング」という技法が存在しています。こちらは、あくまでも絵がベースですので、慣れないとなかなか立体的なビジョンを得ることは難しいのですが、小さいとはいえ、「立体的な盆石は別の世界に旅立つためのとても優れたツール」といえます。

仙界に旅立つためには、色々と決まり事もありますし、そもそも中国の文化ですので、日本人である私たちが行うのはちょっと難しいですが、自分自身が創造した「盆石の中へと意識を飛翔させる」というのは比較的簡単です。前述したように盆石というのは、まさに自分の心を表現するものですから、そこに意識を投影することで、「自分の内面世界へと旅することが可能」となるのです。そこで、あなたはなにと出会うのか? 興味のある方はこのスリリングで芸術的な旅にチャレンジしてみてください。

Spiritual miniature.
Tray landscape foundation stone is the world of Wabisabi.

 

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