たくさん寝ることは体にいいのか!?

圧倒的な睡眠不足に見舞われているから、メディアでもセミナーで書籍でも睡眠の重要性・必要性を伝える。 もちろんぼくもそうで、セミナーの際は「日本人は睡眠不足だから睡眠を取れ!」ということをしゃべります
たくさん寝ることは体にいいのか!?

「たくさん寝るとどうなるんですか?」

先日、ぼくのセミナーを聴講してくださった女性からこういう質問をいただきました。ぼくにはとても興味深い質問でした。

睡眠のお話を聴いたことのない方でも「睡眠不足は体に悪い」「睡眠はちゃんと取ったほうが良い」というのは感覚的に理解していると思います。ぼくは睡眠関連の文献やコラムをよく読んでいますが、実際どれも「睡眠が不足するとこうなる!」と書かれたものがほとんど。

なぜかというと、それはあたりまえのことで、現代人は圧倒的に睡眠不足だから
睡眠を過剰に取りすぎている現代人はほとんどいない。

圧倒的な睡眠不足に見舞われているから、メディアでもセミナーでも書籍でも睡眠の重要性・必要性を伝える。もちろんぼくもそうで、セミナーの際は「日本人は睡眠不足だから睡眠を取れ!」ということをしゃべります。

なので、睡眠を取りすぎるとどうなるのか?という話はほとんど出ないんですね。
実際、睡眠不足に関する研究データはたくさん出ていますが、睡眠過剰は圧倒的に少ない。

この質問をくださった女性は、試しにご自身でたくさん寝ることをやってみたそうです。寝た時間は14時間(たぶん途中で何度か目は覚めたと思いますが)。起きたあとしばらく頭痛がひどかったそうです。

 

寝すぎで脳にダメージ!?

寝すぎた後の頭痛、頭の重た〜い感じ。
これ、みなさんも経験されてるんじゃないでしょうか?
土日に朝遅くもしくは昼まで寝て、起きてもしばらくぼーっとしてたり、頭痛がしたり。

なんで寝すぎると頭痛がするのか?
このあたり実はぼくもよくわかっていないので、説明ができません。ネットでコラムを見ると、「寝すぎるとセロトニンが脳内に大量に放出されることで血管が弛緩・拡張し、脳内の感覚神経を刺激するから」というような内容が見受けられます。

なるほど、当たっているのかもしれないですが、でもセロトニンは「幸福ホルモン」とも言われる精神安定に欠かせない脳内神経伝達物質ですから、セロトニンが大量に出るなら幸福感に満たされて気持ちも安定するはず。でも、寝すぎたあとってむしろ真逆ですよね……。虚無感というか、脱力感というか。

しかし、それ以上に怖いのは長期的な脳へのダメージだと思います。睡眠が多い人はうつ傾向が強くなるというデータもあるように、寝すぎは脳幹や大脳になにかしらのダメージを与えているのは間違いなさそうです。

 

寝すぎは不健康につながる

寝すぎによる影響のデータをいくつか見てみると、
アメリカのクリプケ教授がアメリカ人を対象にした、睡眠時間と死亡率の関係の研究データがあります。睡眠の話をすると必ずと言っていいほどよく出るデータです。

睡眠時間と死亡率の関係

 

男女とも7時間より睡眠時間が短くなったら死亡率が上昇していますが、7時間より長くなった場合も死亡率が上昇しています。短い場合よりもむしろ長い場合の方が死亡率が高まるようにも見えますね。

また睡眠時間と肥満率の関係も上記のデータと同じように、7時間〜8時間の睡眠時間を境に短い場合も長い場合も肥満率は上がる傾向にあります。(多く寝ると肥満率は下がるというデータもあります。)

また、2013年に発表されたハーバード大学の研究調査においては、1日の睡眠時間が9時間の人は7時間前後の人に比べ、大腸ガンにかかるリスクが1.4倍~2.0倍に増加したという結果がでています。

また、血中中性脂肪は睡眠が短くても長くても高くなる方向にいきますし、糖尿病リスクも睡眠が短くても長くても上がります。小学生や中学生の成績と睡眠時間との関係を見ても、睡眠時間が短い場合も長い場合も成績が低下するデータが出ています。

いずれにせよ、健康に生きるには短すぎず長すぎず、適正な睡眠時間が必要なのは間違いなさそうです。

 

毎日の同じリズムが健康の秘訣!

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繰り返しになりますが、日本人は圧倒的に睡眠不足。

睡眠時間をしっかり確保することが1にも2にも大事です。しかし注意すべきは土日の寝すぎ!
一時的・長期的な脳へのダメージ、そして週末明けの月曜日からの生活リズムを乱していきます。

ある調査によると、収入の高いビジネスマンほど平日と土日の生活リズムをほとんど変えていないそうです。つまり、土日に夜更かし朝寝坊して月曜日の朝はげっそり……なんてことはせず、平日も土日も同じ時間に起きて同じ時間に寝るというリズムを崩さないのです。

実を言うと、過剰睡眠を毎日連続するのは難しいのです。
通常7時間睡眠の人が毎日9時間取ろうとしても、初日はまだ可能かもしれませんが、翌日は全然寝付けなかったり、9時間経たずに目が覚めてしまい、結果的に睡眠覚醒リズムを乱して寝不足を招いたりしてしまいます。結局7時間睡眠の人が9時間睡眠を続けるのはそもそも無理があるのです。

睡眠はまだまだわかっていないことがとても多い。
過剰睡眠を研究することで、「睡眠」がもつ意味が解明されてくるのではないか? とぼくは思っています。

 

《高橋克彰 さんの記事一覧はコチラ》
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