1日に必要な睡眠時間は○時間? あなたはショートスリーパーか?ロングスリーパーか?

みなさん毎日7時間睡眠取れていますか?

Q:「1日に何時間寝ればいいですか?」

睡眠の話をすると毎回必ずといっていいほど聞かれる質問です。結論からもうしましょう。ぼくにはわかりません!人によって必要な睡眠時間は違うんです!でも自分の適正な睡眠時間がわからなくてみなさん困っているんですよね。

【もっとも健康的な睡眠時間は7時間】

2002年に米国のKripkeらが100万人以上の大規模な疫学調査をしました。それによると健康に支障をきたさない睡眠時間は6時間30分〜8時間と公表されています。そのときの調査の結果が下記のグラフです。(睡眠のお話では必ず出るデータです)

ピクチャ 4

データからも分かるとおり、健康にもっとも支障のない睡眠時間は7時間だとこの調査は結論づけています。睡眠時間が不足するとダルかったり、頭が働かなかったり、風邪をひきやすくなったりなど、身体が不調になるのはみなさんも経験的に分かっていると思いますが、実は睡眠時間が多すぎても死亡の危険率は上がることをデータは示しています。睡眠は多すぎてもダメ!少なすぎてもダメ!適正量がある!ということです。その後、日本でも10万人以上を対象にした調査を行いましたが、やはり健康にもっとも支障のない睡眠時間を7時間であると報告しています。

しかしどうでしょうか。みなさん毎日7時間睡眠取れていますか?

昨年11月11日の記事で書きましたが、活動量計測器「UP」のメーカー・Jawbone社の2013年の調査で、東京在住のユーザーの平均睡眠時間が5時間46分と発表されましたが、これがかなり現実に近い数値のように思います。ただし、上で示したデータは成人を対象としたもので、子供の必要な睡眠時間はもっと増えます。

3〜5歳   11〜13時間
6〜12歳  10〜11時間
11〜17歳  8.5〜9.25時間

にしても最近の子供はこんなは睡眠取ってますかね???中学生、高校生で9時間近くも睡眠取れてる子ってどのくらいいるでしょうか。ぼくも高校のころは部活に明け暮れていたので、記憶の中では7時間かそのくらいだった気がします。今や中学生でも6時間台の子は多いですしね。

【ショートスリーパーか?ロングスリーパーか?】

今説明したとおり、成人の多くが必要な睡眠時間は6時間30分から8時間の間におさまりますが、まれに睡眠が3時間や4時間でも支障なく生活できる人がいます。このように、6時間未満の睡眠で支障なく生活できる人たちをショートスリーパー(短時間睡眠者)と言います。有名なところではナポレオン・ボナパルトでしょう。ナポレオンは1日3時間しか眠らなかったというのは有名な話。ですが実際はこまめに短時間の睡眠を取っていたようです。会議中でも居眠りしてたようで・・・。あとはトーマス・エジソンでしょうか。彼も1日4時間の睡眠だったそうです。ぼくの知っている人でも1日3、4時間の睡眠で何十年も問題なく生活してきた人もいますが、ショートスリーパーはとても少ないです。統計的に日本人でも1%くらいと言われています。

アインシュタイン shutterstock_224952706 逆に9時間以上寝ないと足りない人もいて、これをロングスリーパー(長時間睡眠者)と言いますが、有名なところではアルベルト・アインシュタインや2002年にノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊教授で、お2人とも10時間以上のロングスリーパーです。イチロー選手も毎日9時間睡眠らしいですね。

統計的にはショートスリーパーよりもロングスリーパーのほうが多いようです。

ショートスリーパーの人って羨ましいって思う人けっこういますよね?起きて活動できる時間が他の人よりも多いわけですから。「短い睡眠で生活したい」という質問もよくされるのですが、その答えは残念ながら「ほぼ無理」です。生活習慣病リスクや脳へのダメージなどを長期にわたって負ってしまってもよいのであれば話は別ですが。でも急ぎの仕事や試験直前とかでどうしても睡眠時間を短くしたい人には様々なリスクを軽減するための対策を個別にアドバイスはしています。

健康に支障の少ない睡眠時間は6時間30分から8時間で、90%以上の人たちの睡眠時間はここに当てはまります。しかし6時間30分と8時間では大きく違いがありますし、もしかしたらショートスリーパーやロングスリーパーの可能性がないわけではありません。

では自分の適正な睡眠時間はいくつなのでしょうか?
次回はその方法をお伝えします。