魂と体を繋ぐ一本の紐

物理的な肉体と霊的な肉体を繋ぐ「シルバーコードが完全に切断されたときが死」であり、コードが完全に切れるまでは、肉体的には死亡した状態でいても、「魂はまだ肉体を認識している」ということを語っているのです。

【体と魂を繋ぐ紐】

「シルバーコード」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
Trinity読者の皆様ならば、一度はどこかで聞いたことがあるという方も多いかも知れません。簡単にいってしまうと、「人間の肉体と魂を繋いでるもの」であり、これが切れることで人間は死ぬとされています。

この概念自体は広く知られている割に、いまいち出典がはっきりとしていませんが、イギリスで18世紀頃に成立した「心霊主義」いわゆる「スピリチュアリズム」が提唱する思想の中で、比較的多く言及されることから、「心霊主義と深く関わっている」可能性が高いと考えられています。

【青年に憑依した霊が語る叡智】

心霊主義では、「霊や、死後の世界の実在を確かめる」ために、「交霊会」が積極的に行われました。その中でも、もっとも影響を与えていそうなのは、1920年にイギリスで当時「18歳の青年に憑依して、さまざまな叡智を語った」といわれている「シルバーバーチ」です。
この霊は、「60年以上」にわたって、さまざまな神秘の秘密を語ったとされており、近代心霊主義に大きな影響を与えたのです。

交霊会というと、現代のイメージでは、死者が降りてきて生前に伝えられなかったメッセージを伝えたりする、というような「イタコ」的イメージが強いのですが、シルバーバーチはそういったものよりは、今でいうところのチャネリング的な雰囲気をもっています。

【シルバーコードが切れることで死が訪れる】

この霊が死について語った時に、シルバーコードについても言及しています。
物理的な肉体と霊的な肉体を繋ぐ「シルバーコードが完全に切断されたときが死」であり、コードが完全に切れるまでは、肉体的には死亡した状態でいても、「魂はまだ肉体を認識している」ということを語っているのです。

【臓器移植は魂にショックを与える?】

この肉体の死と、シルバーコード切断のタイムラグについては、現代ならではの議論が行われています。
それは「臓器移植」に関するもの。
臓器移植は肉体の死の中でも、「脳死」という臓器自体は活動している段階で行われるものですので、当然ながらシルバーコードは切断されておらず、その段階で体を切り刻まれることで、「魂がダメージを受ける」というのです。

シルバーバーチや、有名な予言者であるエドガー・ケイシーなどは、日本などがもつ「火葬の習慣は、霊的に進んだもの」として評価していました。
これは、肉体を燃やすことで、かりそめのものであり、「人間本来の存在は魂である」ことをわからせてくれるから、ということなのですが、前述のような理由から、「火葬にするまで3日程度は期間をあける」ことが必要だとしています。

【古代の日本人はシルバーコードを知っていた?】

このあたりは、日本のシステムは良く出来ており、伝統的なお葬式の作法にのっとると、「お通夜やお葬式」といった儀式があるために、よほどのことがない限り、すぐに火葬されるようなケースは少ないのです。
このようなシステムは、古代に行われていた「殯(もがり)」という習慣が元になったのではないかといわれています。

これは、「死者を一定期間安置」しておき、生き返るかどうかを確認して、本当に体が骨になったならば改めて埋葬するというものです。土葬と違ってすぐに土に埋めてしまうわけではないので、シルバーコードの理論からいっても、自らの体がなくなっていくところをしっかりと確認できるのでいい手法といえるかもしれません。

臨死体験の研究などによって、「死後の世界のことは色々と明らかになって」きてはいますが、シルバーコードが切れていない状態で手術をされたり、火葬にされたりしたら、魂がどれだけショックを感じるのかというのは、それこそ「死んでみなければわからない」ことです。

【あなたは死後、臓器移植を希望しますか?】

特に臓器移植に関しては、脳死の人から提供された臓器によって多くの人が助かることを考えると、魂にショックを与えるということで拒否してしまうというのも考えものです。
一説によると、「死神はシルバーコードを切る存在」とされていますし、「霊的なお医者さんというのが存在していて、必要な時が来たらシルバーコード切る」という説もあります。

ちょっと他力本願になってしまいますが、もし、自分が脳死に陥った時は、こういった存在が速やかにシルバーコードを切り離してくれることを祈って、臓器移植には同意の方向性をもっておくというのがいいのではないでしょうか?
もうじきお盆ですので、一度、自分の死後について考えてみてください。

Silver code that connects the soul and body.
Let’s thinking the death of own.

 

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