メタボの人はお断りのちょっと変わったパワースポット(1)〜韓竈神社〜

島根県にある「韓竈神社(からかまじんじゃ)」。非常に歴史のある神社であり、「知る人ぞ知る聖地」として有名ですが、参拝者が増えない原因とは!?

【テレビの影響で行列ができるパワースポット】

全国各地に神社仏閣があり、その中には「パワースポットと呼ばれる場所」も多くあります。最近ではすっかりパワースポットという言葉が一般化してきたということもあり、テレビなどで紹介されることで、「行列ができるようになってしまった」という場所もあります。東京の明治神宮にある「清正の井戸」で、テレビで紹介された直後は、井戸がある区域に入るために、長蛇の列ができたというのは、比較的記憶に新しいといえるでしょう。

昨今では、テレビの影響力は落ちてきたといわれていますが、それでも、まだまだ「多数の人を動かすことができるメディアである」ことは間違いありません。今回紹介するのは、そんなテレビで紹介されたにもかかわらず、年間で「2000人程度」しか参拝者が増えなかった神社です。

 

【年間2000人でも参拝者激増の秘密とは?】

年間で2000人というと、「1日当たりにすると6人弱」。都内の神社ならば特に話題になっていなくても、それぐらいの参拝者が常にいるところが多いわけですが、それでもこの人数は、テレビで紹介されるまでに比べると、激増といっていい数字なのです。

その不思議な神社とは、島根県にある「韓竈神社(からかまじんじゃ)」。非常に歴史のある神社であり、「知る人ぞ知る聖地」として以前から、一部には知られていたのですが、最近、テレビで取り上げられて人気となりました。にもかかわらず、参拝者の数がそれほど増えないのは、その立地が原因です。

 

【訪れるまでが苦行の神社】

島根県といえば、出雲大社など古式豊かな神社が多く、「神話の里」として有名ですが、韓竈神社は「最寄り駅から車で25分もかかる山中にある」だけでなく、駐車場から参道入り口となる「鳥居までが800メートル」、この道も平坦ではなく山道になっており、舗装されておらず、携帯の電波も届かない場所が多くなっています。ようやく鳥居にたどり着いて、鳥居をくぐると、その先は「急な石段が約300段続きます」。この石段も自然石を利用したものですので、階段を上るというよりも、登山をしている感覚が近いでしょう。

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【人を選ぶ最後の関門は、生まれ変わりの道】

そんな石段を登り切ると、「最後の関門」が待ち構えています。本殿へといたるためには、「岩の隙間を通る必要がある」のですが、この隙間が「平均45センチ、もっとも狭い場所は35センチ程度」であり、体格の良い人や荷物が多い人は「通り抜けることができない」のです。こちらは、参道ならぬ「産道」とも呼ばれており、ここを通り抜けることで、生まれ変わった自分となって、神様の前に立つことができるのです。

これだけの難関を乗り越えてたどり着いた先には、ようやく本殿があります。とはいっても、小さなお社であり、周りは岩に囲まれています。古代の人がどうして、こんな場所に神社を作ろうと思ったのかはさだかではありませんが、現代人よりもスピリチュアルな感覚が発達していたという説もありますので、この場所の「強いパワーが神を祀るのにふさわしいと感じた」のかもしれません。

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【素戔嗚尊の強力なパワーを受け取る】

ちなみに、ご祭神は出雲と縁の深い「素戔嗚尊」。この神社には素戔嗚尊が朝鮮へと旅をしたときに使ったとされる「岩船」といわれる巨大石も存在しています。前述のように、産道があることから、「安産や子授けに御利益がある」として古来から信仰されてきました。それにくわえて、出雲では英雄とされている「素戔嗚尊の強力なパワー」を受け取ることも出来ますので、苦労しても訪れるだけの価値がある場所といえます。

道が険しいために、基本的に「雨の日に参拝するのが難しい」のはもちろん、前日が雨でも足場が悪くて危険ということもあり、なかなか「参拝するタイミングが難しい神社」でもあります。前述したようにテレビで有名になったこともあり、最近では駐車場付近に仮設トイレなども設置されたり、石段を登るための杖なども、近隣の方の協力で用意されていますが、旅行者が限られた時間の中で、この神社を参拝するのは、さまざまな幸運が必要といえます。逆にいえば、すんなりと参拝できたならば、素戔嗚尊に呼ばれているということかもしれませんので、いくつもの苦難にめげない覚悟をもって、一度訪れてみて下さい。

 

【今回紹介したスポット一覧】
韓竈神社
島根県出雲市唐川町字後野408番地

Pray is very hard shrine.
Big people does not put in the shrine.