壊れていくコンタクトフィールド〜ITC, EVPシリーズ

その高次存在はこう言いました。 「人類は今、最後の時代にいて、原理に立ち戻らなければならない。今こそ、光と闇が統合されるべきときなのだ」

メッセージを注意深く聞いた後でマークは3つの可能性を考えました。

1:地球上の誰かのいたずら電話
2:霊によるいたずら電話
3:ラウディヴからの本当のコンタクトだったが、コンタクトフィールドが異常に弱かったため、メッセージが途切れがちで奇妙に響いた

さてこのうちのどれだったのでしょう? マークは霊の友人たちにこの疑問を投げかけ、同じ日に、他界の送信ステーション、タイムストリームの責任者であるスウェジェン・サルターから答えを、ルクセンブルク経由で得ました。

「マークに電話したのはもちろんラウディヴではなく、こちら(第三界)でアフラという名で知られているネガティヴな存在です」

この後彼女は地球側の研究者2人を名指しして、

「そのような態度の研究者が地球側にいる限り、アストラル界からのネガティヴな干渉を止めることはできない」

と述べています。
あの世からのネガティヴな干渉を呼び込んだのは、実は地球側の人間のネガティヴな感情だったのです。

 

光と闇の統合

問題のアフラという霊は、あの世の送信ステーションであるタイムストリームにとってもやっかいな存在でした。
アフラたちの行動は、タイムストリームに、送信を邪魔する干渉波として伝わってくるのです。
一度、サルターの死後の夫で冒険家であるリチャード・バートンが、何人かでその電波の元を確認しに行ったことがあります。

彼はそこで、虹色に輝く高次存在が待ち受けているのに出会いました。
その存在は「アフラとそのグループのためにここに来たことはわかっている」と言い、「君たちが来るのを待っていた」と続けました。

この高次存在はかなり長い話をしたのですが、要約するとこのような感じでした。

○人類は今、最後の時代にいて、原理に立ち戻らなければならない。今こそ、光と闇が統合されるべきときなのだ。
○闇の勢力が集結する前に、熱心なITC研究者を増やし、ネットワークを強固にしていかなければならない。
○妬みや疑いといった「闇」を無視していては、その後の進歩はない。

リチャードがその存在に、アフラの件を何とかしてくれないかと言うと、高次存在はこう答えました。

「光と闇の統合は人間たちがやらなければならないものだ。我々がアフラを退け、人間たちを助けるようなことはしない」

 

電話のパスワードを設定

問題は自分たちで解決しなければならないと悟ったINITは、あの世の研究者たちに向かってひとつの提案を出しました。
それはあるコードを決めて、必ずそれを言ってから会話を始めるようにしようというものです。
それに対して他界側は、奇妙な発音に困る、どんな辞書にも載っていない単語“silmarillion”を提案してきました。

この言葉は当時のINITメンバーのみに知らされました。
霊はよくテレパシーを使いますが、長く意味のないこの文字列はテレパシーで読み取ることができなかったようで、パスワードは非常にうまく働きました。

こうしていたずら電話をブロックしても、研究者間に不和が起きてきて、コンタクトフィールドはマーク・メイシーとルクセンブルクの夫妻、そしてドイツのフリードリヒ・マルコフ、最後に何かとグループのまとめ役に努めていたイスラエルのエイドリアン・クライン、この数名だけに縮まりました。

その後も状況は悪くなるばかりで、1999年にはまたルクセンブルクの夫妻だけのコンタクトフィールドになってしまったのです。
この状況においてマークは、ルクセンブルクの夫妻の結果だけに頼る世界ネットワークは必要ないと判断し、INITを脱退しました。

マギー&ジュール・ハーシュ=フィッシュバッハ夫妻は、限られた人たちだけでひっそりと研究を続けようとしていました。
そして、研究成果を広く世間に発表するのはもう止めようと言うのです。
これは、コンタクトフィールドを健全に、強固なものにしていくには、大事なことではありますが、マークと決定的に対立したポイントでもありました。

ルクセンブルクの夫妻の気持ちもわかります。
しかしこれは、高次存在が言っていた、闇を無視する行動と言えないでしょうか。
マーク・メイシーは独自の研究を続けながら、INITにあったことを本に書いて、少しずつ世間に広めています。
3/4から今まで、若干長いシリーズを続けてきましたが、次回はそこから私たちは何を学ぶべきかを考えてみます。

 

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