白血病で亡くなった子どもの事例(後編)〜ITC, EVPシリーズ

エズラの両親はいまだに息子を亡くした悲しみと喪失感を抱えていますが、その一方では、自分たちの息子が「生きて」いて、幸せに暮らしていることを知っているのです。

「全てうまく届いたかしら? 残念なことに、実験が成功したかどうかをここからはチェックできないの。こういう写真を送るのはものすごく大変な作業なのよ」

マギーは問題なく写真を受け取ったことを告げ、「エズラの肩に革ひもがかかっているのが見えるわ。それから背景に美しい木を選んだわね」と言いました。
これに対しサルターは「その革ひもはエズラがいつも持って歩いているカバンのものなの。写真の中の木は満開に咲いた桜よ」と答えました。

マギーはこの写真を印刷し、サルターからのメッセージを添えてブラウン家に送りました。

しばらくして、エズラの両親から興奮した手紙が届き、いくら大きくなっても人を惹き付ける微笑みは昔と変わっていない、この写真に写っているのは間違いなく自分たちの息子だ、と書いてありました。

その手紙にはエズラの肩にかかっている革ひもについても書かれていました。

   この革ひもは、中国の学生たちが80年代の半ばにはもちろん、

   その後もずっと使っている肩掛けカバンのものです。

   北京滞在中、エズラは中国人の友達がそのような肩掛けカバンを

   使っているのを見ていました。

   帰国すると、自分も同じようなものが欲しいと言ったので与えたのです。

   それからというもの、あの子は亡くなる日までそのカバンを肌身離さず身につけ、

   その中に自分の小さな宝物や秘密のものを全部しまっていました。

   そのカバンは今でもここにあり、あの子が晩年に持ち歩いていたもののほとんどが

   入ったままになっています。

サルターによると、エズラは異端の科学者、または錬金術師として有名なパラケルススから、草木やハーブを用いたナチュラルヒーリングを学んでいるそうです。
そして、植物を採集しては、この愛用のカバンに入れているとのことです。

彼はいろいろなハーブを見つけてくるのが得意で、周囲の人(霊)たちも、彼を真似てハーブ採集に一生懸命になったりしているようです。
またエズラは、地球にいるマギーにも教えることのできるヒーリング方法を確立したいとも言っています。

 

第三界における成長と学習

エズラの話は、第三界における成長と学習の過程を解き明かしてくれます。
彼は少年の時に亡くなり、今では第三界で東洋医学を研究する若者になっています。

そして中国人のグループの中で、自分が非常に憧れた文化に身をおいて暮らしています。
今の彼はとても幸福で、人間の世での経験は彼にとってはほんの夢のようにしか感じられません。

エズラの両親は、自分たちの息子との交信を神の特別の思し召しとして受け止めています。
彼らはマギーに宛ててこう書き送りました。

こんな贈り物を受けられる機会はめったにないと感謝しています。
そして私たちと同じような境遇にいる人たちに、このことを伝えなければと思います。
そうすれば、愛する者を失った悲しみから少しでも立ち直り、その現実と共に生きていくことができるのではないでしょうか。

それでも、エズラの両親にとって、息子を失った経験は悲嘆に値するものです。
こうしてエズラの近況を聞けるのは非常に嬉しいことです。

しかし、一方では、両親はいまだに悲しみと喪失感を抱えているのです。
自分たちがエズラにとって、地球で見た、つかの間の夢にすぎないということを受け入れるのは辛いことです。

ただ、いつか再びエズラに会えるということもわかりました。

その再会はさぞや幸せなものとなることでしょう!

次回は、マギー&ジュール・ハーシュ=フィッシュバッハと協力関係にあった、ドイツの研究者を紹介しましょう。

 

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