縁起の良い植物「白朮」が胃がんに有効!? パチュリとの組み合わせにも注目

食欲が低下していた胃がん患者に白朮を投与したところ、わずか3週間で食欲が回復し、体重・筋肉量が上昇したという報告があります。 さらに、パチュリが持つ胃腸の蠕動運動を調整する働きにも注目です。 漢方薬、アロマテラピー、そして脳へのアプローチが消化器トラブル解決の糸口です。

毎年、京都の八坂神社では、元日に神前にお供えした削掛(けずりかけ)と乾燥させた白朮(をけら)の根を焚いて邪気を払う白朮祭というものが行われます。
そして参拝者には、お屠蘇の一種「をけら酒」がふるまわれます。

 

白朮は胃がんに有効⁉︎

白朮は漢方では「ビャクジュツ」と呼ばれ、健胃作用、利水作用などを有し、実に様々な漢方薬に配合される生薬です。
そのビャクジュツに含まれている「アトラクチレノリドⅠ」という成分が進行胃がんの悪液質に有効性を示したという報告があります。

多くの場合、ガンが進行すると食欲がなくなり、筋肉が減少して身体が痩せ細り、代謝障害が生じるようになります。
この状態を悪液質と呼びます。
悪液質の発生にはインターロイキン、腫瘍壊死因子といった免疫細胞から分泌されるタンパク質と深い関係があることがわかっています。

 

ビャクジュツの効果を臨床試験で検証

そこで、ビャクジュツに含まれているアトラクチレノリドⅠを進行胃がん患者に1日2回投与し、インターロイキンⅠ、腫瘍壊死因子などのタンパク質の変化と体重・筋肉量・食欲の回復状態を確認するための臨床試験が行われました。

この臨床試験に参加した患者数は22名です。

投与前、22名全ての患者さんの体重・筋肉量は減少していることが確認されています。
それが投与3週間後には体重・筋肉量ともに増加し、食欲も改善されました。
さらに、異常値を示していたインターロイキンⅠ、腫瘍壊死因子の数値も7週間後に正常値内に収まったことが報告されています。

 

みぞおちの痞えにビャクジュツ+α

私たちは、消化器系トラブルのご相談を受けたときに、その対策としてよく使用するのがビャクジュツです。
特に、食後眠くなり、みぞおちの痞(つか)え感が強く、悪心・嘔吐などの症状がある時には、気を動かし胃腸の蠕動運動を調整するシュクシャの他、補気健脾薬、芳香化湿薬など数種類の生薬を加えた処方を用います。

 

パチュリは胃腸の蠕動運動を調整する

さらに、アロマテラピーで使用されるパチュリオイル、マンダリンオイル、フェンネルオイルなどを併用します。
パチュリは消化管内の余分な水分を除去・発散し、胃腸の蠕動運動を調整する働きを持ち、マンダリン、フェンネルも消化を助けます。

 

消化器系トラブルに脳へのアプローチは欠かせない!

また、私たちは脳が身体に与える影響に関しても考慮しています。

脳は自律神経を介して様々な臓器とつながり、身体全体をバランス良く保つための舵取り役を担っています。
胃腸の働きには自律神経の中でも特に迷走神経が深い関わりを持つといわれます。
そこで私たちは、脳脊髄液の循環を改善することによって健康を取り戻すといわれる頭蓋仙骨療法の考え方を取り入れ、これに漢方薬、アロマテラピーを組み合わせた漢方薬アロマタッチを行っています。

漢方薬アロマタッチは、たくさんの方々からご相談されたお悩みをひとつひとつ解決するために生まれ、育てていただいた健康法です。
今後も皆さまの健康に寄与できるよう、一歩一歩成長していきたいと考えています。
今年一年、皆さまが健康で幸せな日々を過ごされますことを心よりお祈りいたします。

 

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