【地味なように見えて実はすごい仏の能力】
世界的な宗教である「仏教」は、同じく世界的な宗教である「キリスト教」と比べると、創始者である釈迦には、さほど「派手な奇跡のエピソード」がありません。キリスト教の創始者であるイエス・キリストは、「海の上を歩いたり、石をパンに変えたり、人を癒したり」など、様々な奇跡を起こしているのに比べると、その知名度に比べて派手さは低いといえるでしょう。
しかしながら、釈迦を初めとした仏教の仏様にも、「超人的な力が備わっている」とされています。それは「六神通」と呼ばれています。「仏なのに神?」と思うかも知れませんが、これは文字通りの神様というわけではなく、「人の上の存在」という意味合いで使われているようです。このような疑問を持つ人は多いのか、神を抜いて「六通」などと呼んだりもします。
【仏教を学ぶことで得られる6つの超能力】
これが一体どのようなものなのかというと、「仏教を学び実践することで身につく力」であるとされています。釈迦がある国の国王に、仏教を学ぶメリットを聞かれた時に、もっとも深い部分を学ぶことで、六神通が得られると答えたという話を紹介している経典もあります。
では、六神通とはいったい、どのようなものなのでしょうか? 一つずつ簡単に紹介していきましょう。
まず最初は、「神境通」、別名「神足通」などとも呼ばれています。こちらは、「自分の意図するままに好きな場所へといくことができる」というものであり、現代風になおすと、飛行能力や、ワープ能力というのが近いかもしれません。ある説によると、たんなる移動だけでなく、「自らの姿を自由に変える能力もある」といわれています。
二つ目は「天眼通」。こちらは、「望むままに、さまざまな場所を見通すことのできる」というものです。いわゆる「クレアボヤンス能力」といえますが、離れた場所や霊界などが見えるだけでなく、「他者の運命なども知ることができる」のだそうです。
三つ目は「天耳通」。読んで字のごとく、「通常では聞こえないような音を聞き取る能力」であり、「クレアオーディエンス」といえます。たんなる音波だけでなく、「世界中にある情報を取得する能力である」という説もあります。
四つ目は「他神通」。これはシンプルに、「他人の心を知る事ができる能力」であり、現代でいうところの「テレパシー」です。
五つ目は「宿命通」。こちらは、「自分自身の過去世を知る事ができる能力」です。自らが過去にどのような行動をしていたのかを知る事で、現世での生活をよくし、さらに「輪廻への理解を深める」ことができるわけです。自分自身で行う「前世療法」といった感じでしょうか。
六つ目は「漏神通」。「自らの煩悩が消え去ったことを悟る能力」であり、これを得た人は「転生することがなくなる」とされています。つまり、仏教でもっとも重要な「悟りを得た状態を確認するもの」であり、これを得たならば、すなわち仏になっているといえるでしょう。
【今も昔も人が身につけたい超能力は変わらない】
このように紹介してくると、これらすべてを身につけている仏が、いかに超人的な力をもっているかがわかると思います。様々な物語に出てくる超能力者がもっている能力のほとんどを備えていることになります。攻撃的なものがないので、映画や物語向きではありませんが、悟りを得て、人々を幸せに導くためには有用な能力といえるでしょ。
もちろん、仏陀となった「釈迦もこの能力をもっており」、イエスのように経典として残されはしなかったものの、時としてこれらの神通力を利用することで、仏教をアピールし、布教をしていたともいわれています。
今から2000年以上前に生まれた仏教ですが、クレアボヤンスやテレパシー、体外離脱や過去世リーディングなど、現代でも多くの人が、これらの能力を身につけるために、スピリチュアルな世界で学んでいるものが含まれているというのは、今も昔も人が欲する能力というのは、変わっていないということなのかもしれません。
Buddha have six ability.
The secret of “rokujintsu”.