〜 梅雨だからこそ美しい! 鎌倉穴場の寺院3選 〜 感情美人への道Vol.107

梅雨の時期は、観光するのも少し憂鬱ですね。でも梅雨だからこそ、その佇まいや美しさが際立つ寺社が鎌倉にはいくつも存在します。今日はその中から、知る人は知っているけど、つい観光コースから外れてしまう素敵な寺院を3つ紹介します。パワースポットとして人気の寺院もありますよ。

北鎌倉駅から鎌倉駅まで歩ける、お勧めルートでご紹介!

今回ご紹介する3つの寺院は、全てJR北鎌倉駅からJR鎌倉駅に向かう途中で見る事ができます。
歩いても2.5kmほどのルートなので、歩くのが苦手な方でも意外とすぐゴールに到達できますよ。

 

1.縁切り寺としても知られる「東慶寺」

まずご紹介するのは、「花の寺」「縁切り寺」としても有名な東慶寺です。
北鎌倉と言うと、どうしても円覚寺・明月院がある方に足が向きがちですが、今日ご紹介するルートを回るためには、駅の改札を交番がある出口(円覚寺と逆側)から出て下さい。
東慶寺は目の前の道沿いを鎌倉方面に3分ほど歩くとすぐ到着します。

東慶寺は、弘安8年(1285年)、北条時宗夫人の覚山志道尼によって開創されました。
面白いのが、昔このお寺に付与された特権です。
女性の側から離婚できなかった封建時代、このお寺に駆け込めば(合法的に)離婚ができたのです。

今は、離婚するには離婚届けに夫婦でサインと捺印して役所に提出すれば離婚が成立します。
ところが江戸時代などは、離縁を証明する「三下半(みくだりはん)」を夫から受け取らないと離婚ができなかったのです。

でも、ダメ夫と離婚できないのは妻にとっても可哀想。
という訳で、この東慶寺と群馬県の満徳寺の2つのお寺は、女性の保護と夫への離縁要求を幕府から正式に認められていたのです。
この制度は、明治4年に廃仏毀釈により寺法が廃止されるまで続きました。

お寺では、実際の三行半などが見られるミニ博物館のような建物もあります。
また「花の寺」と呼ばれるだけあって、四季折々の花が境内にはたくさん咲いています。
6月は花菖蒲、岩ガラミ、紫陽花、半夏生、7月は桔梗が見頃を迎えますよ。

 

2.パワースポットとしても人気の「浄智寺」

(浄智寺)

次にご紹介するのは、鎌倉五山第4位の浄智寺です。
先ほどの東慶寺からの道を、さらに3分ほど鎌倉方面に向かって歩くと着きます。
東慶寺までは割と人の流れもあるのですが、このあたりからぐっと人が少なくなります。

浄智寺は、北条時頼の三男宗政が29才の若さで亡くなってから、宗政の妻が一族の助けを得て建てたと言われています。
まず注目すべきは、入ってすぐ目に入る浄智寺の惣門です。
参道入り口には鎌倉十井のひとつ「甘露ノ井」があり、苔むした石階段や石塀が梅雨の時期にとても美しく参拝者を迎えてくれます。

梅雨の時期は、ちょうど紫陽花も美しく咲いています。
また境内を進んで行くと、江ノ島鎌倉七福神のひとつ「布袋様」がいらっしゃいます。
このお腹をなでると縁起がいいとの事で、皆さん撫でていかれるようです。

他にも、仏殿には過去・現在・未来を代表する阿弥陀・釈迦・弥勒(みろく)の三体がまつられてあり、見応え十分。さらにこのお寺の道を進むと、銭洗弁天までのハイキングコースにも通じるので、興味のある方は浄智寺を経由して行ってみるのも良いでしょう。

 

3.鎌倉一美しい石畳のある「寿福時」

(寿福寺)

浄智寺から国道21号を引き続き鎌倉方面へ歩いて行くと、長寿寺の横から「亀ケ谷切通し」に通じる細道があります。
今回はそこを通りましょう。

この道は「鎌倉七口の切通し」の1つで、1180年に源頼朝が安房から大軍を引き連れて鎌倉入りした時に通った道です。
当時に思いをはせて歩いてみて下さい。
道沿いに咲く紫陽花も、今の時期はとても綺麗ですよ。

源頼朝が、この道を通って鎌倉入りした時に通ったのが次にご紹介する寿福寺です。
源頼朝が没した翌年、妻の北条政子が建立した鎌倉五山第三位の由緒あるお寺なのですが、町の中心から少し離れているのでほとんど人がいません。

(ちなみに、鎌倉五山の1位は建長寺、2位は円覚寺、3位がこの寿福寺で、4位は先ほどご紹介した浄智寺、5位は浄妙寺です。)

ここの見所は、何と言っても参道の石畳です。
私が行ったのはちょうど霧雨が降っていた日でしたが、石畳が雨に濡れて凛とした美しい雰囲気でした。

 

まとめ

今回ご紹介した3つの寺院は、3時間ほどで歩いて回れます。
涼しい日を選んで、ぜひ古都鎌倉の散策を楽しんでみて下さい。

 

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(トップ画像/高坂切り通し紫陽花)