マインドフルネスの「7つの心がけ」前編を復習!
今回ご紹介するのは、マサチューセッツ大学医学部で提供されている「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」で提唱されている心がけです。
まずは、前回ご紹介した3つの心がけを復習してみましょう。
心がけ1:物事を評価しない
心がけ2:忍耐強く取り組む
心がけ3:自分を信じる
でしたね。では後半の4つを早速見ていきましょう。
心がけ4:初心を忘れない
「自分は知っている」と思いこんでしまうと、物事の本当の姿が見えなくなってしまいます。
IPS細胞研究でノーベル賞を受賞された山中伸弥教授は、プロフェッショナルとは「自分が知らない、という事を知っていて、それを改善するために最善を尽くす人」とインタビューで答えていました。山中教授でさえそうなのですから私達は尚さら謙虚にならなければいけませんね。奢りは禁物です。
心がけ5:むやみに「努力」しない
瞑想をする時は、目的意識が大きな障害になります。なぜなら瞑想は、人間のあらゆる活動とは全く異なる物だからです。究極的に、瞑想とは「何もしない」こと。あえて瞑想のゴールがあるとすれば、それは「”無理をせずに”あなたがあなた自身として存在する」ことです。
マサチューセッツ大学のストレスクリニックでは、8週間で達成したいゴールを3つ患者にあげてもらい、次に「その3つのゴールを達成しようと努力しないように」と言い聞かせるそうです。瞑想して何かを得るというより、瞑想自体をゴールにするのが良いでしょう。
心がけ6:受け入れる
受け入れるとは、「物事をあるがままに見る」という態度です。頭が痛いなら、頭が痛いという事を受け入れる。誰かを失って淋しくても、その事実を否定せずに受け入れて下さい。
私たちは、既に動かし難い事実なのに、それを拒否したり認めようとしない事が多々あります。そしてそのために莫大な時間とエネルギーを浪費しているのです。「受け入れる」というのは、自分の価値観を放棄したり諦めること、自分や周りを改善しない心の態度ではありません。「受け入れる」とは、あるがままに見る心の態度を身につける事で、何が起こっているか明確につかめるようになり、変化に柔軟な心を作る事なのです。
心がけ7:とらわれない(手放す)
昔インドでは、猿をつかまえる時に木箱に猿の手が通るくらいの穴を1つ開けて、中にバナナを一本隠しておいたそうです。すると穴から手を突っ込んでバナナを掴んでも、今度はバナナを掴んだままでは手が穴から抜けません。穴から手を抜くにはバナナを手放さないといけませんが、ほとんどの猿はバナナを離さないのです。
人間も、いったん心が何かに囚われてしまうと、同じ羽目に陥ってしまいます。マインドフルネス瞑想では何かに囚われても、それを「手放そうとする」心の姿勢を持つ事が重視されます。
囚われない事は、あるがままの物事を受け止めるための方法。どうしても心から離れない強烈な思いに囚われてしまう場合は、「とらわれる」のはどんな感じなのか考えるようにしてみましょう。自分が囚われていくのを観察していくと、最終的にまったく正反対の「囚われない」感覚が分かってきます。
まとめ
マサチューセッツ大学のストレスクリニックでは、教えられた言葉を少し疑いながらも、「とりあえず教えられた事を受け入れてみよう!」という人に一番効果が現れているそうです。
皆さんも、「やらなきゃ!」ではなく「やってみようかなぁ」という感じのスタンスで、毎日の生活に瞑想を取り入れてみましょう。
参考文献:
『マインドフルネスストレス低減法』J.カバットジン 北大路書房
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https://www.el-aura.com/writer/2012102201/?c=17188