皆様こんにちは。
前回は、「タラレバ思考の解決法・現在編」をご紹介しました。
ポイントは①『保有効果』に惑わされない ②『双曲(そうきょく)割引』を知っておく の2つでしたね。
今回は、『未来』のタラレバを解決するコツを、行動経済学をベースにお伝えします。
ここでのキーワードは、『サンクコスト』です。
サンクコストは、日本語で「埋没費用」と呼ばれ、過去にかけたお金・時間・労力といった「今さらそれを取り戻したくても、取り戻せないもの」を指します。
これに囚われてしまうと、合理的な意思決定ができなくなり、結果的に自分が損するような選択をしてしまいます。
これを「サンクコストの誤り」と言います。
ここで、前回取り上げた「ダメ男と結婚しようか迷っているアラサー女性」に話を戻しましょう。
この女性、結局「保有効果」と「双曲割引」に負けて、時間とお金と異性にルーズなまぁまぁカッコいい男性と結婚してしまいました。
それから20年後。
女性はアラフィフになりました。
夫は浮気を繰り返し金遣いも荒く、ろくに貯金もありません。
夫への愛はとうに冷めて、本心では離婚したいと考えています。
が、こんな風に考えてしまうのです。
「私はこのダメ夫のために人生で一番美しい時期を捧げ、20年も家事をしてきた! 今ごろ別れたら、私の人生報われない! せめて夫の退職金が入るまで離婚しないわ!」
シチュエーションは違えども、皆さんも「せっかく◯◯したのにもったいない!」と考えることはありませんか?
そういう時は、ほぼ「サンクコストの罠」にはまっています。
こんな時は、「損失回避(損を嫌う心理)」や「保有効果(手元にあるモノの価値を過剰に見積もる心理)」の解決法と同じく、こう問いかけてみて下さい。
「自分はコレをただでもらっても、まだ手元に置いておきたいか」
「自分は今手元にあるAを持つことと、理想のBを持つことに比べて、どれほど強く望んでいるか」。
私たちが前に進むためには、余計な荷物を捨てなければなりません。
その荷物を手に入れるためにいくらお金・時間・努力を注ぎ込んだとしても、綺麗さっぱり忘れて身軽にならないと、新しい理想のものは手に入らないのです。
未来のタラレバを捨てることは、「サンクコスト」を捨てること。
例えば、1800円払った映画が恐ろしくつまらなかったら、席を立つのが合理的選択です。
建設的な未来のためには、過去に払った犠牲を潔く捨てなければなりません。
とは言っても、これには少し練習が必要なので、普段の片付けなどから少しずつ意識してみましょう!
過去のガラクタを捨てれば、あなたの未来はきっと明るいものになりますよ。
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