音楽が脳と体に与える影響〜感情美人への道Vol.75

皆さんも、音を上手にご自身の生活の中に、取り入れてみて下さいね。

こんにちは。感情美人デザイナーの柊です。

皆さんは、音楽を聴いてその美しさに思わず泣いた事はありませんか?
泣いた事はなくても、音楽を聴きながら無意識にリズムを刻んでいたことは誰にでもあると思います。

 

実は、音楽には私たちが想像する以上にすごい力が秘められているのです。

今日は、その効能をご紹介したいと思います。

音楽の効能は、1990年代からメディアで宣伝された「モーツァルトを胎児や子供に聴かせると頭が良くなる」というのが有名でしょうか。
でも、ちょっとこれは間違っています。
実際この実験は大学生を対象に行っていて、1日10分モーツァルトを聴かせると、空間推論テストのIQスコアが上がったというものです(ただし、この効果は10分程度しか続かないのだとか)。

とは言え、モーツァルトの楽曲に素晴らしい効果があるのは事実です。

耳鼻咽喉科の医師で音楽療法も研究していた、アルフレッド・トマティスという人がいます。
彼は当初ビバルディ・パガニーニ・ハイドンらの曲も使っていましたが、結局最後に残ったのはモーツァルトの曲でした。

モーツァルトの曲は神経系の経路を整え、脳に刺激を与えてその配線を促し、言語の習得に必要なリズム・流れ・動きを付与します。
特にバイオリンは高周波数帯域の音に富んでいるので、誰にでも効き目があり活力を充填し、リラックス効果も得られます。

音楽は脳の「報酬中枢」に働きかけ、それによってドーパミン(快楽物質)の生産が増えて、快感情やモチベーションの向上にもつながります。
つまり、曲を聴くと明るい気分になれるのです。

心だけでなく、身体的にも良い影響があります。
脳が音楽による刺激を受けるとニューロン(神経細胞)は、それと同期しながら発火する事が脳の画像研究によって明らかになっています。

これを「引き込み現象」と呼びます。

最初バラバラの動きをしていた二つの振り子の振動がやがて同期したり、1つの音叉(おんさ・叩くと音が出る器具)を、もう1つの音叉の近くで叩くと、お互いが接触していなくとももう1つの音叉も振動して音が出る、という現象もコレです。

ジャズミュージシャン同士がセッションすると、それぞれの脳波が引き込まれて行きます。
すると、あの素晴らしいグルーブ感(ノリノリ感)が生み出されるのです。
いわば「脳内を支配するニューロンの発火速度が同期し始める」状態になります。

脳障害の多くは、脳がリズムを失い「リズム障害的」な状態で発火するために起こるとされていて、音楽療法やサウンドセラピーはこういった症状に効果を発揮するのです。

ちょっと専門的な解説を付け加えると、音は脳の上の部分(高次認知機能を司る部分)だけでなく、「脳幹」という人の生命を維持する部分にも刺激を与えます。