皆さまこんにちは。感情美人デザイナーの柊です。
今日は「自分の欠点・コンプレックス」について考えてみたいと思います。
女性の場合、「欠点」と言えば、圧倒的に『容姿』が多いのではないでしょうか。
そして愛されるためには、その欠点をなくさなければいけない、と思っていませんか?
普段、皆さんに自尊心を高めるコツなどをお話させている私でさえ、実を言うとコンプレックスの塊なんです。
私の場合は、小さい頃からずっと色黒で、アメリカ帰りの10代の頃なんて体脂肪率35%くらいありましたから、ぽっちゃりを通り越してデブだったんですよ。
色黒でデブというのは、思春期の私の自信を奪うのに充分すぎるインパクトがあったんです。
多分、それを今も引きずっているんでしょう。
人って基本、自分の事しか見ていないんですけど、自分は「他人に移る自分」に敏感になりすぎてしまいます。
自分にしか見えない欠点を、百倍くらい大きく感じてしまうんですね。
そこで今日は、高須クリニック院長が、パートナーの西原理恵子さんに送った言葉をご紹介します。
西原さんは、実は何度も美容整形をお願いしているのだそうです。
でも、高須院長は「できるけどしない」の一点張りなんだとか。
その理由をこう語っています。
「いいですか理恵子さん。人は欠損に恋をするんです。黄金律でないもの、弱いもの、足りていないもの、人はそれを見たとき、本能で補ってあげようとする。その弱さや未熟さを自分だけが理解していると思う。欠損の理解者となるのです」
この言葉を聞いて、私は脚本を学んでいた時に教わった事を思い出しました。
それは「登場人物を魅力的に描きたいなら『欠点と弱点』を必ず作れ」というものです。
完全無欠なヒーローは、実は全く魅力的ではないのです。
「登場人物の欠点」について、有名なアニメで考えてみましょう。
例えば、ドラえもんに出て来るのび太。
のび太なんて、得意なのは昼寝とあやとりくらい。
勉強はできないし、遅刻はするし、頼りないし、本当にダメキャラです。
でも、こんなのび太が、ここぞという時に、しずかちゃんやドラえもんのために自分の限界を越えようとしてまで頑張ります。
結果、成績優秀で品行方正な出木杉君より、好感度が高くなる訳です。
ジャイアンの弱点はどうでしょう。
ジャイアンは「俺のものは俺のもの。お前の物は俺のもの」という、どうしようもないいじめっ子です。
でも、映画では普段傍若無人なジャイアンが、のび太や仲間のピンチを、自分の危険を顧みずに救いに行ってそこが感動のポイントになったりします。
こののび太とジャイアンにもあるギャップが、みんなに愛してもらう秘密になるんです。
欠点があるヒーローだから愛される、という事ですね。
最近では、「R-1グランプリ2017」出た、ブルゾンちえみさんがこのパターン。
ブルゾンちえみさんは、芸歴わずか2年ながら最近目覚ましい活躍をされています。
R-1グランプリでも、優勝の最有力だったそうです。
でも、緊張に呑まれてしまったのか本番でネタを飛ばして、インタビューで泣いてしまいました。
この事は多くのネット記事に転載され、ご本人も「ダメダメウーマンでした」とツイートしていましたが、視聴者からの反響は、驚くほど好意的だったのです。
寄せられたコメントを見てみると
「残念だったけど、より好きになった。応援してるよ!」
「俺の中で好感度上がった」
「女の子の部分が出ちゃってギャップにやられた」
「ネタ飛ばして泣くなんて、人間らしくていい」
「クールビューティなパーフェクトウーマンを売りにしてるだけに、泣いちゃうギャップにキュンとしました。」 etc……
私も本当にそう思いました。
ブルゾンちえみさんの場合、最近全てが順調過ぎたので、大舞台での「失敗」が、ある意味妬みをかわす材料にもなり、「弱点」を見せたことで、視聴者はもっと「応援したい!」と思ったのではないでしょうか。
「欠けている」ものを「なくす」事について描いた『ぼくをさがしに』(シルヴァ・スタイン著)という有名な絵本があります。
絵本では、一部が欠けた球体の主人公は「自分に欠けた一部」:「満たされないもの」を探して行きます。
“なにしろぼくの体はかけていて
あんまり速くは転がれない
それで立ち止まっては
みみずとお話する
この花はいい香り……”
主人公は、完全な球体になると速く転がる事はできるけど、代わりに色々な事ができなくなってしまいます。
欠けているものが満たされれば幸せなのか?
満たされていないからこそ、得られる物があるんじゃないか? とこの絵本は教えてくれます。
完璧な人間になろうとすると、逆にその過程で失うものも多いのかもしれません。
「欠点があるからこそ、大切な人に愛してもらえる」と思えると、必要以上に自分を卑下することもなくなりそうですね。
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