夏目漱石の転職物語から勇気をもらおう!
〜感情美人への道Vol.70

何かを捨て、何かをつかもうとする時、100%成功をつかめると分かってから動き出そうとしたら、未来永劫動けません。 運なんてそんな簡単なものじゃないし、100%安全だと分かる頃には既に時宜を逸しているケースがほとんどです。
夏目漱石の転職物語から勇気をもらおう!<br>〜感情美人への道Vol.70

皆さま今日は。感情美人デザイナーの柊です。
今日のテーマは「転職」について。
読者の皆さまの中には「安定した仕事を捨てて、少しリスクはあるけど新しい仕事にチャレンジしたい!」と思っている方もいるのではないでしょうか。

 

今日はそんな方達の背中を、この文豪に押してもらいましょう。

夏目漱石です。

漱石と言えば、弟子に芥川龍之介がいたり、その芥川に憧れていたのが太宰治であったり、系譜を辿るとまさに日本近代文学の親分といった感じですよね。
でも漱石は、最初から小説家ではありませんでした。
「学校の先生」だったんですよね。
しかも、東京帝大の講師だったんです。

漱石が小説家になるために東京帝大の職を辞したのは、「講師」から「教授」へ大出世する直前でした。
東京帝大の教授と言えば、今とは比較にならない程権威のある地位(今も東大教授といえばスゴいですが、百年前はもっとスゴいのです)。
しかも給料含め、かなりの安定性を持っています。

そこから転職したのは、当時ベンチャー企業のような存在だった『朝日新聞』。
転職当時、漱石は40歳。中年です。
しかもたくさんの子供と、高い家賃を抱えての再出発。
「もし失敗したら……」って、皆さん考えませんか?

 

ここで、当時の漱石の気持ちに分け入ってみましょう。

漱石は当時、こんな風に言っています。
「大学を辞して朝日新聞に入ったら逢う人が皆驚いた顔をしている。中には何故(なにゆえ)だと聞くものがある。大決断だと褒めるものがある。大学をやめて新聞屋になる事がさほどに不思議な現象とは思わなかった」

いかにも迷いがなかったように言っていますね。
そうは言っても、「自分が洋行を終えて契約期限が切れそうな時には、(大学の仕事を)いつまでもかじりつきしがみつき、死んでも離れないつもりであった」そうです。

でも、漱石はずーっと小説を書きたかったんです。
そんな夢を温めていた頃、朝日新聞から「年に2,3回。
それぞれ100回ほどの小説を書いてくれませんか」
というオファーを受けたんですよ。
これを聞いて、創作に専念したかった漱石は心底喜びました。

「文章を書くことは、自分の命であり、これほど有り難い事はなく、これほど心持ちの良い待遇はない。
これほど名誉な職業はない」と思ったそうです。

 

そこで、今日皆さんに一番お伝えしたい言葉がこちらです。

「(決断する時に)成功するか、しないかなどと考えていられるものじゃない」

何かを捨て、何かをつかもうとする時、100%成功をつかめると分かってから動き出そうとしたら、未来永劫動けません。
運なんてそんな簡単なものじゃないし、100%安全だと分かる頃には既に時宜を逸しているケースがほとんどです。

ただ、むやみやたらに飛び出すのは、スマートではありません。
漱石も、連載回数から出社回数、給料にいたるまで、細かい契約を事前に確認しています。
なので、できる限り現状を分析するというのは大切です。
その時に、自分の感情を分析するんじゃなくて、「事実」を分析しないといけませんが。
ここまでやっても、まぁドラマとかでは漱石の奥さんは大反対してますけどね(笑)。

失敗するか成功するかなんて、やってみなきゃ分からないというのが本当の所です。
漱石は、胃潰瘍で朝日新聞に転職して9年後に亡くなりました。
そしてこの間に、「三四郎」「それから」「門」「行人」「夢十夜」など数々の名作を生みました。

転職せずに大学教授として”安定した”一生を終えても、あと9年間しか生きられなかったんです。
そんなことしたら、死ぬ間際「もっと小説書きたかった〜!」って後悔したでしょうね。

漱石でなくとも、誰でもあと9年しか生きられないと思えば、成功するかしないかなんて考えずにとりあえずやりたい事やるんじゃないでしょうか。

漱石の転職物語、皆さんのご参考になりましたでしょうか。

 

【参照】
・朝日新聞 2015年9月30日号

[お知らせ]
柊りおん著書
『欲しい未来が手に入る怒りのコントロール術 感情美人になれる7つの扉』
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『「嫉妬する女はブスになる」問題』サンマーク出版
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