激しい感情を5秒でなだめる方法〜感情美人への道Vol.65

「激しい感情は自分で止められる」と気付くのは、大きな前進です。

皆さまこんにちは。今回はとてもシンプルですが、怒り・不安・悲しみ・混乱などの激しい感情を5秒でなだめる方法をご紹介しましょう。

イライラしたりパニックになった時、何も手を打たずに嵐が過ぎるのをただ待っていませんか? それってすごくもったいない事です。
なぜなら感情的になっても事態は何も好転せず、ネガティブな気持ちは視野をせばめ、解決をどんどん先送りにしてしまうからです。

 

今回ご紹介するのは『STOPアクロニウム』と呼ばれています。

アクロニウム(acronym)とは『頭文字』の意味で、4つのステップの頭文字をとったものです。
そう、感情をなだめるのに必要なステップは、たった4つです。

①『Stop』と言い聞かせます。
まず、ムカーっときたり、どうしよう〜!! と感じたら「ストップ!」とか「止まれ!」というフレーズを自分に言い聞かせて下さい。怒りも悲しみも不安も、誰もあなたの代わりに止めてくれません。なので初期段階で、強引に「止まれ!」と言い聞かせます。

自分の中に、感情のおもうままに振る舞う5才の子供と、理性的な判断ができる35才の大人が同居していると考えて下さい。パニックになったりふくれっ面になっている子供の自分を、もう一人の冷静な大人の自分がなだめるようなイメージを持ってみましょう。

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②『Take a Breath』
つぎに、ひと呼吸します。感情を落ち着かせるには深呼吸が理想ですが、軽くひと呼吸つくという感覚でOKです。
腹式呼吸が苦手な方は、胸式呼吸でも構いません。目も開けていても閉じていても大丈夫です。

③『Observe』
ここが大きなポイントです。
ひと呼吸ついたら、「今この瞬間」に何を感じているか『観察』します。

あなたの体はどんな感じでしょう? きっと心臓がドキドキしていますよね。手をきつく握りしめているかもしれません。
それから外では何が起こっていますか? 空はどんな色をしているでしょう。どんな音が聴こえますか? 自分がとっかかりやすいのを見つけて、言葉で表現してみます。

「呼吸が浅くなって、眉間にしわがよってる」とか、「電車の音が聴こえる」等。なぜこれが大事かというと、ネガティブな感情というのは、過去や未来に紐づいているからです。それに対して「今」自分や周りでどんなことが起きているのか、という事に意識を集中します。

おそらくこの段階で、「自分はなんてバカな事で怒ったりしているんだろう」と思えてきます。そう思えたらしめたものです。

④『Proceed』
①〜③が終わったら、元の状態に戻ります。これで一連のワークが終わりです!

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こんなシンプルなルーティンですが、やるのとやらないのとでは大違い。

なぜかというと、感情を暴走させないためには、その中枢である脳の「扁桃体」という部分を暴走させない事が大切だからです。

そのためには、大脳新皮質という部分が司る『理性』を働かせないといけないんですが、外部からこの理性を司る部分に情報が届くのは、扁桃体に届くより「数ミリ秒」遅いんですよ!
(*1ミリ秒=1000分の1秒)

つまり、理性が働き出す迄は非常に短いとはいえ、タイムラグがあるのです。扁桃体に先に情報が伝わるのは、命に関わる危機的な状況では有利に働く場合があります。考える前に体を動かせる訳ですから。

でも私たちの普段の生活を考えると、「思考」より「感情」が優先されてあまり得することはありませんよね。

今回ご紹介したSTOPアクロニウムは、理性が働き出すまでの時間を稼ぐのに、とても有効です。

こういった訓練は、コツコツ練習するとあっという間に上手になります。今度何かカチンとする出来事があれば、ぜひこの練習を取り入れてみて下さいね。「激しい感情は自分で止められる」と気付くのは、大きな前進です。

参照:
UCLA Mindful Rersearch Center MAPS Ⅰ
『レジリエンスの教科書』草思社 カレン・ライビッチ アンドリュー・シャテ

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