ポジティブ感情を増やす日常のコツ5つ〜感情美人への道Vol.60

幸福度を上げるのに、一番大切なのは「出来事への意味付け」を変えることです。でもここにとりかかるにはちょっとした意気込みが必要です。

皆さまこんにちは。前回は、「運のいい人」が持つ、「ネガティブ感情」と「ポジティブ感情」の黄金比率をご紹介しました。人生が上手く回り出すか、それとも後退してしまうかそれは「ネガティブ感情」と「ポジティブ感情」の比率が「1:3」になっているかどうかでしたね。

 

フレドリクソン教授とロサダ氏が提案したこの黄金比率は、その後1000を越える学術論文に引用されました。

でも実は、この比率に異を唱えた研究者もいます。ブラウン氏、ソカル氏、フリードマン氏の三名です。彼らはロサダ氏の数式の不完全さを論じ、そもそも具体的なティッピングポイントは存在しないと結論付けました。その批判を受け、フレドリクソン教授は数式の不備を認めましたが、一方でポジティブ感情がネガティブ感情の3倍を越えるグループには、それを下回るグループと明らかな違いがあると、いくつかのケーススタディで証明しています。

全体的な議論を見てみると、全ての人に一つのティッピングポイントを適応しようとしたのが問題のようです。年齢などによって若干のばらつきはあるものの、総じてポジティビティを上げることは良い人生を送るためのゴールには間違いありません

 

そこで今回は、日常で「意識的に」ポジティブ感情を増やすコツを5つご紹介します。

「毎日が不安やストレスで押しつぶされそうなのに、どうやってポジティブ感情を増やせばいいんだ」と感じる方も、参考にして下さい。

1. 瞑想する
何年も瞑想している僧たちは、脳の「左前頭葉前部皮質」という部分が普通の人より発達しています。この部分は、幸福感を感じる部分でもあります。瞑想といっても、難しくありません。一日五分でもよいので、目を閉じてゆっくりとした呼吸に意識を集中してみましょう。瞑想はリラクゼーション効果・ストレス減少・免疫力の向上など幅広いメリットがあります。

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2. 人に親切にする

誰かに「喜んでもらえる行動」を増やしてみましょう。利他的な行為はストレスが軽減され、自分の幸福度が上がることが証明されています。一日に五つ何か親切な行為をするように指示された人たちは、それをしなかった人たちに比べはるかに幸福度が上がり、かつ幸せ感がその後何日も続いたという研究もあります。大掛かりな事でなく、後ろの人のためにドアを開けてあげるとか、その程度でも構いません。

3. 運動する

運動すると、快楽をもたらすエンドルフィンやセロトニンが分泌されます。うつ病の患者を3つのグループに分け、1つ目のグループには抗うつ剤を処方し、2つ目のグループには抗うつ剤に加えて週3回45分間の運動、3つ目のグループには週3回45分の運動を課しました。そして六ヶ月後うつ病の再発率を調べたところ、1つ目と2つ目のグループは38%ほどうつが再発していましたが、運動だけしていたグループの再発率は、わずか9%だけだったそうです。

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4. 楽しい計画を立てる

旅行や何かの趣味など、楽しい計画を立ててみましょう。実際に旅行している時より、計画を練っているときの方が、幸せ度が高いという研究もあります。

5.モノを買う以外にお金を使う

バッグや時計などのモノを買っても、その幸せは長続きしません。形としては残りませんが、外食や旅行など思い出になることにお金を使ったり、人のためにお金を使ったりすると幸福度が上がります。

幸福度を上げるのに、一番大切なのは「出来事への意味付け」を変えることです。でもここにとりかかるにはちょっとした意気込みが必要です。

今日ご紹介した5つのポイントを普段から実践し、トータル的なポジティブ感情の量を底上げしてみましょう。

 

参照:
『幸福優位1つの法則』ショーン・エイカー
Fredrickson, B. (2013). Updated thinking on positivity ratios. American Psychologist, Vol 68(9) doi:10.1037/a0033584
Brown, N.L., Sokai, A.d., & Friedman,H.L.(2013). The complex dynamics of wishful thinking : The critical positivity ration. American Psychologist, 68, xxx-xxx.doi:1037/a0032850

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