生意気な【思春期の言動】にムカつかない方法
〜感情美人への道Vol.55

「生意気な思春期の言動は、そもそも本人にもコントロールできない」 この事を、よく理解してあげましょう。「殴って脅して、大人の権威をチラつかせて分からせよう!」なんて、本末転倒ですからね。
生意気な【思春期の言動】にムカつかない方法<br>〜感情美人への道Vol.55

皆さまこんにちは。感情美人デザイナーの柊です。

読者の皆様の中にも、思春期のお子さんを持つ方や、生徒に接している方もいらっしゃるかもしれないですね。ご苦労お察し致します。生意気ですもんね(私もそうでした)。

でも、今回は、そんな思春期の子供と付き合うコツをご紹介します。記事をお読みいただければ、大分接し方が変わると思いますよ。

 

キーワードはこの2つです:

①自分の思考のクセを理解する
②思春期の脳の特徴を知る

例えば、こんなケースを考えてみましょう。
(オンライン質問箱に寄せられていた一部を変更したものです)

“中学2年を担任している男性教諭です。クラスの中に常に態度が生意気で、生活態度も悪いA美がいます。昨日、A美のスカート丈があまりに短かったので、朝礼時にきつく注意しました。すると私が教室を出た途端、教室から「◯(私の名前)って超ウザイんだけど! つうか、女子のスカート見てるとかってマジキモくない? ほんっと話しかけてくんな。死ね!」と大声で言っているのが聞こえ、思わず殴りたくなりました。自分の生活態度を棚に上げて私をバカにするのも許せないし、あることないことを他の教員や親にも吹聴しているのかと思うと、本当に頭に来ます。成績優秀な生徒は身なりもきちんとしているし、私の言う事も素直に聞きます。大体、中学生が教師やルールに従わないなんてあり得ません”

確かに、こんな態度取られたら頭にきますよね。でもこの先生の思考も、かなり偏っていることにお気づきですか?

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【①自分の思考のクセを理解する】

今回は、(1)「二元論思考」(2)「結論の飛躍」(3)「べき思考」という3つのクセを見てみましょう。

(1)「二元論思考」とは、全ての物事を「白か黒」「正解か不正解」で真っ二つに線を引く考えです。

・A美は生活態度もだらしない最悪な生徒だ
・A美は私の顔に泥を塗る存在だ
・私の評判が悪くなる
・成績優秀な生徒は、身なりがきちんとしている

などがありますね。これを現実に即した形に書き直してみるとこうなります。

・A美は遅刻せずに登校しているし、授業中に寝ることもない
・私が理不尽な噂を立てられたことはない
・身なりがそれほどきちんとしていなくても、成績がいい生徒はいる

(2)「結論の飛躍」とは、ある1つの出来事が、根拠もないのにある悪い結果を招くと考えること。また、人の心を勝手に読んでしまうことも含まれます。

・私のよからぬ噂を保護者や他の教員に吹聴して、私の評判はガタ落ちになる
・A美は私をバカにし、死ぬ程憎んでいる

これを書き直すと、こういう風になります。

・生徒は教師の悪口を言うものだ
・反抗期の子供は「ウザい」「死ね」という言葉を、「めんどくさい」と同程度のニュアンスで使う

(3)最後に「べき思考」。これは、自分の価値観が絶対だと思い、他の価値観を許容しない態度です。

・A美は私に逆らうべきではない
・私は悪い評価を受けるべきではない
・生徒は教師の言う事や校則に絶対従うべきだ
・スカートの丈は長くないとダメだ

などがあります。
これを相手の立場も鑑みて書き直すと、どうなるでしょうか。

・生徒でも、教師に自分の意見を言う権利はある
・教師といっても、人間なので常に完璧にはできない。嫌われない人間はいない
・理不尽なことを言う教師や変な校則もある
・子供たちからしたら、長い丈はダサくて仕方ないと感じるのだろう

この3つが、主な「思考の歪み」です。ここまでできた方は、【思春期の脳の特徴】も理解すると更に良いですよ。

大前提として覚えておかなければならないのは、「10代の脳は、大人の脳とまっっっったく違う」という事です。

早い話、未成熟なんです。どこが未成熟か? 脳の司令塔とも言われる「前頭野」と呼ばれる部分です。ここは情動の抑制、感情のコントロール、モチベーションや集中力など「立派な大人」が備えている能力を司る部分です。

脳は、全ての領域が一斉に同じ速度で成長する訳ではありません。後方から前方へ向かって、ゆっくりつながって行くのです。ここに、5才から20才までの脳のつながり具合をスキャンした画像があります。

柊原稿画像

(画像参照:『10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか』P46)

 

色が濃い領域ほど、つながりが「密」です。

これを見ると、前頭葉まで完全につながるのは20才以降という事が分かりますね。ちなみに、「つながる」というのは脳の「白質」の「ミエリン形成」と呼ばれるものです。つまり、ニューロン(神経細胞)からニューロンへ情報を上手に伝えられれば、それとともに皮質(理性的な部分)も成熟するということ。これがまだできていない状態なんですね。

思春期の子がイライラしがち、キレやすい、誘惑に弱い、危険な行動に走りやすい、集中力や根気に欠ける、というのは、つまり脳(前頭葉)が他の領域より未成熟だから。脳が成熟するまでは、30才までかかるとも言われています。思春期の子供なんて、まだその半分までしか生きていないのだから、大人が子供と同じ土俵に乗って正論をまき散らしたところで、お互い反発するだけです。

なので、「思春期の子は、まだ大人と同じように考えられない」という前提に立ち、そこから伝えるべきことを伝えないといけません。
加えて、思春期は自分のアイデンティティを確立しようとする時で、「洋服」「髪型」はその「核」となるもの。スカート丈をいちいちうるさく言われたら、自分のアイデンティティを否定されたように感じるのも無理はありません。

「生意気な思春期の言動は、そもそも本人にもコントロールできない」
この事を、よく理解してあげましょう。「殴って脅して、大人の権威をチラつかせて分からせよう!」なんて、本末転倒ですからね。

参考文献:
『しつけと体罰』童話館出版 森田ゆり
『10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか』文藝春秋 フランシス・ジェンセン

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