感情美人への道Vol.21 ~自分の決断に後悔しない3条件〜

後悔には2種類あります。1つは「変化を起こさずに生じる後悔」。もう1つは「変化を起こして生じる後悔」です。今回は後者のケースを取り上げます。

3 conditions for not regretting your decisions

先日、私が主催する『感情美人学』で「お金と幸せ」について話していた時、ある方からこんな質問を頂きました。

「実は今、買おうかどうか迷っている物があるんです。私にとってはかなり高価なものなのですが、それがあるとこれからとても生活が快適になります」

誰でもこんな迷いを持った事があると思います。今回はその迷いを解決するプロセスをご紹介しましょう。

まず前提として、「物の価値はそれを手にした瞬間から下がる」という事実を理解して下さい。理由は、それがない頃は憧れだった生活が現実になる事で、「快適!」と感じる事がスタンダードになる為です(詳しくは『感情美人への道Vol.18 幸せになれるお金の使い方』をご覧下さい )。

次に、そのお金を出費した事で生じる「最悪の事態」を分析します。例えば今迄使えていた遊興費が少なくなる、外食ができなくなるなどが考えられますね。そしてこれを受け入れられるかどうか考えます。

上記2つがクリアして「良し、買おう!」となった時、次に湧いてくるのが「でもこれ買って後悔したらどうしよう……」という恐怖です。

実は、その「物」や「出来事」自体が良いか悪いかより、決定を下した時の自分の環境が後悔に大きく影響します。

後悔には2種類あります。1つは「変化を起こさずに生じる後悔」。もう1つは「変化を起こして生じる後悔」です。今回は後者のケースを取り上げます。

 

変化を起こしても後悔しない条件は、大きく分けて3つあります。

①「前の経験がネガティブ」であった場合

例えば、「去年行ったA温泉の露天風呂が芋洗い状態だったので今年はB温泉を選んだら、露天風呂は改修工事中だった」という場合、余り後悔しません。でも「去年のA温泉の露天風呂も快適だったけど、今年は趣向を変えてB温泉に行ったら工事中だった」という場合は、前の経験が特に悪い訳でもないのに変更してしまったため、後悔が強くなります。

 

②決定における「自分の責任が重い」場合

自分で決断した! と思える場合、主体性が生まれるのでたとえ失敗しても後悔しにくくなりますが、誰かの判断に従って何となく決めてしまうと、後悔しやすくなります。

 

③決定した「判断に自信がある」場合

その決定に強い自信がある場合、他の選択を考える可能性が低くなる一方、自信のない決定をした場合は他の採りうるべき決定との間で迷いが生じるので、「反実仮想(もしこっちならこうなのにな〜というイメージ)」が強くなってしまうので、後悔する気持ちも大きくなります。

 

つまり、決断を後悔するかどうかは「自信の有無」が大きな影響を与えているのです。

 

「自信がある」というのは、言葉を変えると「自己効力感」が強い人。例えば「自分は本番に強い」「転職は上手く行く」「恋愛には自信がある」という気持ちを持っている人です。

最初の質問に戻れば、「その製品を買えば自分の将来が間違いなく明るくなる」という点に確信を持っていれば、買っても後悔しにくくなる、という事が言えるでしょう。

いかがでしたか?
悶々と悩むより、手順を追って考えると色々な事がスムーズに決断できるようになりますよ。

 

参照論文:
『意思決定における後悔:現状維持が後悔を生むとき』2007 道家瑠見子・村田光二
『自信があれば後悔しない』2015 中西大輔・志和資郎

 

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