力を抜いてリラックスするほど お産はエクスタシーの体験になる

「お産は痛い、辛い」が当たり前と思っていませんか? その間違った思い込み、真実とは異なるお産の概念を払拭して、穏やかで幸せなお産を夫婦でクリエイトする『催眠出産(ヒプノバース)』についてご紹介しましょう。

最近は新月や満月の祈りを実践している人や、占星術の知識と、天体の動きから宇宙のメッセージを読み解き、日常に取り入れる人が増えていますね。
特に女性の体は、月の満ち欠けに連動しているという話をご存知の方は多いでしょう。

新月から満月に向かって、体は栄養を蓄えやすい時期。
一方、満月から新月に向かっては、不要物を排出しやすい時期だとして、この時期にダイエットを実践する方もいるようです。

女性の体に備わった自然のリズムが、顕著に現れるのが妊娠と出産。
本来の自然なリズムを大切している助産院では、科学的根拠ははっきりしないものの、「新月と満月の日にお産の数が多くなる」と明言する助産師さんが少なくありません。

日本では明治初期以前、旧暦が使われていました。
月が新月になる日を月の始まりと考え、各月の1日とし、月の満ち欠けとともに1ヶ月のサイクルを生きていたわけですね。

新月から新月までは平均して約29.5日。
自然とともに生きていた時代は、このリズムが心身に馴染んでいたのでしょう。
太陽暦(グレゴリオ暦)になって久しい現代、私たちはすっかり人工的なものに囲まれた暮らしが当たり前。
でも、あまりに偏りすぎた反動で、最近は一部の感度豊かな人たちに、ダイナミックな自然回帰が起こっていると言えます。

 

*そもそもお産は痛みを伴わないのが自然なあり方

赤ちゃんが人生のスタートを切るのは分娩台の上というのが、現代のお産の主流です。
そこに疑問を感じる人が、助産院でのフリースタイル出産や水中出産などを選んでいるようで、これも自然回帰ということなのだと思います。

そもそも「お産は痛みが伴うもの」という意識が間違っているとしたら、驚く方は多いのではないでしょうか?
赤ちゃん誕生のシーンが、今とは大きく違ってくるでしょう。

潮の満ち引きが一番大きくなる「大潮」。
生命誕生というクライマックスのタイミングも、
自分の力を信じ、赤ちゃんの力を信じ、
大いなる宇宙のリズムに身を任せたとき、
最も自然で無理がなく、満ち足りたものとなる。

先の記事でご紹介した赤尾和紀さんと愛真さんは、まさにとても自然な、究極のカタチとも言える海中出産を、絶妙なパートナーシップにより成し遂げています。

自然と宇宙と呼応しながら、自分のリズムで生まれてくる赤ちゃん。
お母さんがリラックスしていれば、緊張が自然と緩み、産道も広がるので赤ちゃんも無理をしないで自然に道を進むことができます。

一方、お産に対して不安と恐怖を抱いているお母さんは、いざ陣痛が始まると、一気に緊張し、抵抗感が生まれます。
筋肉が萎縮して、産道が狭められるため、一層赤ちゃんは通りにくいという状況になるのです。

その状況が続くと、お母さんも疲れ果て、体力的に限界だからとドクターが陣痛促進剤を投与するということに……。
赤ちゃんにしてみれば、自分のリズムを無視されて、いきなり産道から引っ張り出されてしまうわけです。
お母さんの胎内で心地よい時間を過ごしていたのに、生まれてきたら煌々としたライトの下で、その環境の違いにびっくりして、泣き声をあげるのも無理ないでしょう。

そんな状況を作り出しているのが、実は私たちが共通に持っている「出産は苦痛」という潜在意識の観念なのです。
「出産は痛くて苦しい体験」
「耐えられないほどの痛みが伴う」
「苦しみに耐えてようやく赤ちゃんを迎えられる」
こんな風に多くの女性はもちろん、男性も信じこんでいます。

「本来は痛みがなく穏やかに産めるのが当たり前」だと知っていたら、妊婦さんはどんなお産を選択するでしょうか?

世の中、お産が大変だという情報ばかりで、穏やかに産むイメージが抱けるような真実の情報は、どうやら隠されてしまったようです。
映画やドラマで描かれる出産シーンは、苦痛で顔が歪み、恐怖の叫び声をあげる女優さんの迫真の演技で展開していきます。
それこそが、観ている人の感情を揺さぶるための大げさな演出です。

 

*生命誕生の瞬間も愛と喜び、恍惚感を味わうのは理想

本来、人間の体はとてもよくできているもの。
余計な思考を働かせず、自然な感覚に委ねていれば、必要なことが勝手に起こって、良い方向に行くようになっています。

妊婦さんはいざ陣痛が始まったら、恐怖や不安ではなく、ひたすら赤ちゃんに意識を向け、自分の体の“ナチュラルに生む力“を信頼し、任せることが大事。
赤ちゃんのリズムを感じ、それに合わせてゆったり呼吸をしていると、母体には痛みを緩和する脳内物質が分泌してきます。
つまり、体の中では自動的に、痛みが消えるような調整機能が働いているわけです。