コラム「幸せにでもなってみるか」Part.4 〜人々が亡霊化し始めている~ガクト(気功家・ヒーラー)

生活が豊かになればなるほど忙しくなり、心の豊かさが奪われるという矛盾が生まれる。 心の豊かさを奪われた人たちは、感動したり、誰かのために喜んだり悲しんだりと、本来の人間らしさが失われ全ての感情は制限された結果、欲望だけが残る。

~ 人々が亡霊化し始めている ~

 現代人は戦国時代の将軍様より、いい暮らしをしていると云える。
部屋は常に一定温度で、近所にはスーパーもコンビニもあり、家を出なくてもネットで注文した書籍は翌日届く。
そんな便利な現代社会の中で、人類は豊かな生活と引き換えに、実は自由を奪われていきます。

それはまるで自分で自分の首を絞めているような矛盾な状態。
そして、その状態に慣れていくかのように亡霊化し始めます。

たとえばコーヒーを飲むところを想像してほしい。
朝靄の静寂な森林の中、まだ眠っている動物達に気を使いながら出来るだけ音を立てずに、牧に火を灯しお湯を沸かす。
その場で挽いた豆をフィルターに入れゆっくりとお湯を注ぐ。
香ばしい香りでゆっくりと肺を満たし、入れたてのコーヒーを口にする。

どうだろう?
自動販売機で購入するコーヒーよりずっと美味しいことが想像できる。
僕は何も缶コーヒーが不味いと言っている訳ではない。
ただ本来、そうやって飲んだコーヒーは美味しいという話だ。
あるいは、たとえコンビニで買ったおにぎりでも、汗をかきながら一生懸命昇った山上で食べると、とても美味しく感じるはず。
ピクニックや運動会で食べるお弁当なんかも同じことが言えるだろう。

ところが現代では全てのものが手ごろな値段で、手ごろな場所から簡単に手に入り、手軽に使うことが出来る。
ただでさえ手ごろな時代なのに、もっと便利に、もっと手軽にと、さらに拍車をかけるように人々はまるで生き急ぐかのように時短に明け暮れる。

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~ 時短すればするほど忙しくなる ~

コンビニは現代が生み出した現代時短の集大成だと云える。
常に新鮮なパンやお弁当を陳列し、最新の新聞や雑誌を揃え、肉まんを温めながら、おでんを仕込む。
ATMの管理をしながら、終にはコーヒーまで入れてくれる。
最近ではドーナツ販売や、運送会社と連携して配達や介護相談まで出来る。
しかもそれらの仕事は、平均2名ほどのスタッフがレジ打ちをしながらだ。

とにかく得したい、時間を短縮したい、そうやって自分の時間を搾り出して、それだけ余った時間は何に使う?

それはおそらく仕事の前の仕事や仕事の後の仕事。
もしくは共感してほしい、嫌われたくないという理由から、大量のタイムラインへ返信という無機質な作業。
おかげで自分自身のために使う時間や心の癒しが奪われていく。

生活が豊かになればなるほど忙しくなり、心の豊かさが奪われるという矛盾が生まれる。

心の豊かさを奪われた人たちは、感動したり、誰かのために喜んだり悲しんだりと、本来の人間らしさが失われ全ての感情は制限された結果、欲望だけが残る。
そして、仕方がなかったという理由で、簡単に人を傷つけたり、奪ったりするようになる。

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~ そして亡霊化が始まる ~

「人は死ぬとどこへ行く?」

人はまず死んで霊魂の存在になったとき、真っ先にどこに行くと思う?
まず、最初に魂が向かうところは、自分が生きていた時にもっとも愛した場所。
愛した人の所や、仕事や趣味に熱中していた人はそこに向かう。
そこで生きていた頃の、何気ない日常の中の同じ動作をずっとリプレイし続ける。
霊能者か、あるいは雷に打たれた経験でもない限り、周りの人間はもちろん同じ霊同士でさえお互いの存在に気づくこともない。

団体で組織を作り、正式に建物に取り付く為の抗議デモなんてのもやらない。
ただ黙々と好きだった時空で、一人せっせと物思いにふけっている。
だから、もちろん友達になったりメダルをくれたりもしない。

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~ 「幸せの輪廻を作る」 ~

最近よく街中を歩いていると、生きている人間と死んでる人を間違えることがある。

耳にイヤホンをねじ込み、視線はスマホのタイムラインに落とし、喫煙か何か食べながら歩いている。
ぶつかって来ても謝るどころか無視。
一生懸命、時短で稼いだ生きる時間を、さらなる別の労働にあてるために先を急ぐ。
食事をゆっくり摂る時間も惜しんでいるわりに、携帯の充電だけはしっかりと欠かさない。

どんなに働いても、どんなに時短しても心も生活も楽にならないという人は、いちど立ち止まり、もう一度思い出して欲しい。

自分が生まれてきた訳を。

あなたがなぜ?この星を選び、この時代を選択したその訳を。
決して苦しむためでも、生きた亡霊になるためでもないはずだ。

以前、知り合いの坊さんからこんな話を聞いたことがある。
坊さんが言うには、人は輪廻転生してカルマを背良い、再びこの世に戻ってくるのだそうだ。

それが本当かどうかは僕にはわからないが、これだけはわかる。

前世のツケを払うためだけに僕たちは生まれてきたわけじゃないってことだ。

君なら僕が言っている意味、そしてこれからやらなければならないことの重要性がわかるはずだ。

 

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下假岳人(シモカリガクト)福岡県福岡市生まれ/
気功家、ヒーラー、作家
REIKIKOU ENERGY WORKS代表
日本レイキ・気功協会代表
福岡市教育委員会・気功講師
(東京・大阪・奈良・京都・福岡)etc、各学校・協会外部講師

海難落雷事故の経験により、異次元論や宗教哲学に目覚める。
中国気功を学びながら 霊気(REIKI)と出会い師範を取得。
道(TAO)思想・陰陽五行・神仙道を主体とし気功と霊気を融合し、独 自のスタイルで構成した<霊気功>を確立、「幸せ体質改善」「更に輝くオーラ作り」とした幸せである為の”究極メソッド”を中心としたメンタ ルトレーニング(霊気功)による、ストレス除去、自然治癒力を高める呼吸法など、企業や職場、学校、院内、各種施設等で手軽にできる気功法を全国でワーク ショップ開催中。
小学生からお年寄りまで幅広い年齢層がワークショップへ参加している。
その他の著書に「幸せにでもなってみるか」「何かいい感じ」「幸の素」などがある。

公式ホームページ
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下假岳人・公式ブログ「何かいい感じ」
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